コメの品薄と高騰 コメどころの富山でも続く困惑
コメの品薄と価格高騰が続く中、政府は備蓄米の放出を決めています。コメをめぐる状況が県内の生産者と販売店、そして私たち消費者にどんな影響を与えているか、その現場を取材しました。
砺波市の頼成営農組合です。
きょう、倉庫に向かうと…
武道アナウンサー「コシヒカリに富富富、30キロ入りのコメが積まれています。全てきょう、県外へ送られるコメだそうです」
関東や関西など県外からの注文が増え続け、在庫の確保が難しくなっているといいます。
武道アナ「これが今保管しているおコメ」
八田さん「そうですね」
武道アナ「本来ですとこの2月はもっとある状態ですか」
八田さん「おそらく、ここにまだいっぱいあるんじゃないかと思います」
数量制限や値上げも 止まらない注文や問い合わせ
しかし、今年に入り販売数量に制限をかけ、今月には、4000円の値上げに踏み切りました。
それでも注文は止まず、今年秋に収穫のコメの予約も出ているといいます。
全国の流通業者が確保を図っているため、品薄が解消しないのです。
頼成営農組合・八田浩一代表理事「業者の方、大口でどれだけでも いいんで、買い取りするんで、契約できませんかみたいな感じで連絡があったりしてます」
農林水産省が発表しているコメの取引価格の推移です。
青い線が、全国の平均価格。
緑の線が富山県産の早生品種てんたかく、ピンクの線が主力品種のコシヒカリ。
いずれも価格の上昇傾向が続き2万円台の高値となっています。
一方で生産者にとっては物価高騰で農業資材費が上昇するなど、厳しい状況に変わりはありません。
頼成営農組合・八田浩一代表理事「農家の担い手が減ってるのもあって、作れる面積というのは決まって きているので(収穫量を)あまり増やすことも できませんし、難しいところですね」
価格高騰に消費者からは悲鳴
影響は小売店にも。
武道アナ「こちらのスーパーではコシヒカリや、てんたかくなどどれも10キロ入り一袋が税抜きで6500円前後。毎日欠かせない主食ですが、気軽に手が出せない価格になっていますね」
70代男性「上がってますね。飲食店やってるもんですから、結構使いますよ」
80代女性「高いね。どこ行っても値段はね。 どっか安いとこないかなと思うけど一緒だよね。備蓄米が来月じゃないと出てこないって言うでしょう。だからそれまで小さいのでも1個買ってつないでおけばいいかなぁと思っています」
この店では今のところ県産米は確保できていますが、少しでも安値のものは並べる先から売れると言います。
シマヤ立山店・豊田悟副店長「昨日玄米30キロ入荷したんですけども、昨日のうちに完売するというような流れになりまして。昨年でしたら、例えば富山県産コシヒカリでも、売価で言うと3000円で販売しておりました。今年現時点で6000円台というのはちょっと異常な高さかなと」
作り手の農家にも、コメを求める消費者にも影響が及んでいます。