被災した能登の新成人へ 無料撮影会 富山の美容師が企画
元日の地震で大きな被害を受けた能登地方では各地で予定されていた成人式が延期や中止となりました。
こうした中、富山市の美容師が先月、石川県で無料の撮影会を企画し若者たちを元気づけました。
先月14日。
石川県七尾市で開かれたのは、ヘアメイクから着付け、撮影まで全て無料の撮影会です。
能登地方に住む新成人など32人が参加しました。
この撮影会を企画したのは、富山市の美容師、若林奈々さんです。
「美容師として何ができるかと考えた時に、(地震で)成人式延期になったり、中止になったりするところもあるので、無料撮影会ができないかなと企画しました」
元日に発生した能登半島地震。
石川県内では、成人式が次々に延期や中止となりました。
日常に加えて大切な思い出まで奪われた新成人のために、美容師として少しでも力になりたい。
若林さんがSNSで全国の美容師や着付け師に向けて発信すると、賛同する声が多く集まり撮影会の開催が実現しました。
「仲のいい方も協力するよって言ってくれたり、全然知らない方も県外の方もおられたんですけど参加させてくださいって言っていただいて…」
撮影会に参加した七尾市の春木美咲さん。
来年の成人式の「前撮り」という形で参加しました。
そこにはある理由がありました。
美咲さんは来年の成人式で、祖母の代から受け継がれてきた着物を着る予定でした。
しかし、元日の地震で祖母の家は全壊し、着物は今も取り出せていません。
そんな美咲さんが選んだのは、全体に花柄をあしらったピンクの着物。
成人式では、祖母の代から受け継がれている着物を着られると信じ、あえて違う色を選んだといいます。
春木美咲さんの母・恵美さん「辛いことばっかりだったけど、参加してみて良かったなと」
春木美咲さん「いい着物も着せてもらって着付けも髪も全部可愛くなって嬉しかったです。地域に貢献していけるような大人になれればいいなと」
こちらは新成人の男性。
「七五三がきのうのように思い出される」
「お母さん、もっとぎゅっとするとどうですか?」
最初は親子での撮影を嫌がっていましたが、最後には。
「素晴らしい親孝行ですね」
「恥ずかしかったです。それだけですかね…」
「今の時期しかできないことが体験できたので、とても私は嬉しかったです」
若林奈々さん「当日は現場力を大事にして、大成功で終わったと思います」
「また美容師としてお手伝いできることがあれば、こういう成人式の撮影会でも、カットのボランティアは随時やっているところはあるので自分も参加したい」