直木賞受賞 伊与原新さん「富山は第二の故郷」
おととい、直木賞を受賞した伊与原新さんが、KNBのインタビューに応えました。
過去に大学教員として過ごした富山への思いなどを聞きました。
上野キャスター「受賞、改めておめでとうございます」
伊与原さん「ありがとうございます」
作家の伊与原新さんです。
大阪府生まれの52歳。
地球惑星科学を専門とし2003年に赴任した富山大理学部では、2011年まで助教などを務めました。
受賞が決まると富山からも祝福のメッセージがたくさん届いたといいます。
伊与原さん「富山大時代の同僚ですとか教え子のみんなとか 富山のイベントでお世話になった図書館の方や行きつけのお店のママさんですとか いろんなお祝いの言葉をいただきました」
受賞作「藍を継ぐ海」は、徳島や山口などの地方を舞台に大切なものを守り続けている人々の姿を描いた5編の短編集です。
上野キャスター「富山での生活が作品に生きている部分はどんなところでしょうか」
伊与原さん「やっぱり自然というものが近い土地ですので そういう意味でインスピレーションが湧きやすいというか、直接は今回富山が舞台にはなっていませんけれども、自然に囲まれていた、身近にあったということが、こういう地方の自然を対象にした小説を書く上で、刺激を与えてくれているなと思います」
KNBは2011年、富山大学で教鞭をとっていたころの伊与原さんにインタビューをしていました。
デビュー作『お台場アイランドベイビー』は東京での大震災発生を想定した小説です。
インタビューでは阪神淡路大震災の被害を自ら目にした経験が作品に影響していると語っていました。
地震発生から30年となったきょう、改めて感じたこととは。
伊与原さん「あの時代、災害をきっかけに、日本人がみんな自分たちは災害の国に暮らしているんだっていうことを、現代に生きる私達が再認識した最初のきっかけだったかなと思う。あのときの人々の行動とか、援助のあり方とかを日本人が学んだ最初のきっかけだったような気もする」
今後の作品の構想については。
上野キャスター「富山が舞台になる可能性はありますか」
伊与原さん「鳶山崩れとかですね 常願寺川の氾濫とかですね それに立ち向かってきた富山の人々の歴史にも興味があるので、いつかぜひ書いてみたいと思ってます。私は富山に8年ぐらい暮らしていまして、本当に第二の故郷のように感じているとても大好きな場所なので、また折を見てうかがいたいと思います。」