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半島の孤立を防ぐ 能登半島地震から1年~わたしたちが能登から学ぶこと~

2025年1月17日 13:00
半島の孤立を防ぐ 能登半島地震から1年~わたしたちが能登から学ぶこと~
発生から1年が経った能登半島地震では主要な道路が寸断され多くの集落が長期間にわたって孤立するなど課題が浮き彫りとなりました。災害が起きた際に 孤立するリスクが高い半島地域。2つの半島を抱える鹿児島に突き付けられた課題を考えます。

■能登半島地震で分かった半島のリスク

24年1月1日、午後4時10分。石川県能登地方を震源とするマグニチュード7.6の地震が発生しました。輪島市と志賀町で震度7を観測し、災害関連死を含めて、これまでに504人が死亡、2人が行方不明となっています。珠洲市など被害が大きかった地域につながる主要な道路が寸断され、最大24の集落で3000人以上が孤立。被害状況の把握や支援物資の搬入、人員の輸送などが遅れるという問題が起きました。地理的に平地が少なく交通網がぜい弱とされ、災害で孤立するリスクが高い半島地域。

■薩摩半島と大隅半島を抱える鹿児島の課題

鹿児島県は薩摩半島と大隅半島の2つの半島を抱えています。それぞれの半島の先端に位置する南さつま市、錦江町、南大隅町、肝付町は24年2月、会合を開きました。

(県半島特定地域振興協議会・本坊輝雄会長)
「大隅半島を逆にしたような能登半島の地形。半島地域で生活する中で災害に対してどう向き合っていくか孤立化する住民をどう支えていくか」

孤立集落への物資の輸送や情報収集など想定される支援や課題について意見を交わしました。

4つの地域のうちの1つ、肝付町は豪雨災害で孤立した経験があります。2012年6月。

(内田直之キャスター)
「国道448号に大量の土砂が流れ込んでいます。その国道を突き破って土砂は海まで流れ込んでいます」

九州南部が大雨に見舞われ、月間の降水量が1277.5ミリに達していました。この雨の影響で十数か所に土石流や土砂崩れが相次ぎ、各地で道路が寸断。一時、7つの集落で202世帯350人が孤立状態となりました

1週間以上孤立状態が続いた津代集落。内之浦の市街地と集落を結ぶ道路は海沿いの町道だけです。長く降り続いた雨の影響で土砂崩れが起き家が流され町道が寸断されました。役場の職員が食料などの物資を漁船で運んで来たと言います。土砂崩れで家が流された春田 鶴子さん。現在は鹿屋市に住んでいます。

(春田鶴子さん)
「あのままボーンと飛んだ、道路を隔てて下のところに落ちて、家ごと」

崩れる前日に、ある異変を感じていたと言います。

(春田鶴子さん)
「雨でなんか山が膨れているような感じがして、寝ていて見るでしょ。怖い怖いと言っていて、もし私が片付けとかしていたら死んでいた」

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