核なき世界へ 富山県内被爆者らが決意新た 日本被団協ノーベル平和賞受賞受けて
ことしのノーベル平和賞に日本被団協=「日本原水爆被害者団体協議会」が選ばれました。
県内の被爆者団体の関係者はあらためて核兵器廃絶への取り組みに力を入れていきたいと話しています。
「ノルウェー・ノーベル委員会は今年のノーベル平和賞を日本被団協に授与することを決定した」
今月11日に発表されたノーベル平和賞。
県内の被爆者団体=県被爆者協議会の小島貴雄会長は、被団協の活動を終えて東京から戻る新幹線の中で受賞を知りました。
富山県被爆者協議会 小島貴雄会長
「世界が私たち被爆者協議会の68年間に及ぶ運動に対して評価してくださったその成果であり、これを契機にますます私達の運動を推し進めていこうという気持ちをより一層強く抱いた」
世界には現在、ロシア、アメリカ、中国、北朝鮮などが1万2000発の核弾頭を保有し、核兵器使用の危機が高まっています。
小島会長
「核兵器によって多くの命が奪われたっていうそういう歴史を人類は学んでいる。それが今1万2000発の核兵器が使われたら人類、地球が終わってしまう。どうしてそれを理解してもらえないのか。少しでも早く打開するために今回ノーベル賞を世界が私たちの活動を認めてくださった。より一層進めていかなきゃいけないかなと」
父、六雄さんは去年8月、100歳で亡くなりました。
六雄さんは、陸軍の海上特攻艇マルレの小隊長として訓練中、原爆投下直後の広島に救護のために入り被爆しました。
小島会長
「(六雄さんは)2017年に核兵器禁止条約が国連で採択されたときに非常に喜びました。これが(核兵器廃絶の)きっかけになるんじゃないかなとそういう喜びを持っていた。今回それ以上の喜びを感じてるんじゃないかなと思う」
日本は世界で唯一の戦争被爆国ですが、アメリカの「核の傘」の下にある日本は、核兵器禁止条約に批准していません。
小島会長
「日本政府は核保有国と非保有国の橋渡しをするということを一生懸命話しされていますが、どういうふうに動いておられるのか。ゼロにするためにどうするかっていう動きを早く世界に唯一の戦争被爆国がしなきゃいけないと、やってほしいと。そのために我々はまずは県民に訴えていきたいと思っています。(受賞は)頑張れ、というきっかけを与えてもらったと思う。決してこれが到達点ではなくて出発点だと思う」
現在、富山県内にいる広島、長崎での被爆者は30人で、平均年齢は87.4歳です。
被爆者たちが活動することが困難になるなか、小島さんたち被爆二世が活動を引き継いでいます。