山口・長門“中野家住宅”など8件を国の登録有形文化財に登録へ~江戸期から呉服商として栄える
国の文化審議会は長門市日置の中野家関連の建築物などを8件を新たに国の登録有形文化財に登録するよう文部科学大臣に答申しました。
国土の歴史的景観に寄与しているとして、国の登録有形文化財に登録するよう答申されたのは、長門市日置の「中野家住宅店舗兼主屋」など中野家関連の建物など8件です。
中野家は、江戸時代から赤間関街道の古市で呉服商として栄えました。「住宅店舗兼主屋」は明治時代中期の建築で、2階建ての漆喰塗り仕上げ。2階の吹き抜けに廊下を巡らし、商品を陳列する棚などが並んで、当時の繁栄ぶりをいまに伝えています。
(中野家 中野春夫当主)
「古市はこのあたりの中心地だった、 なんとか古市が生き残っていけるようになってほしいというのが我々の考え方です」
また「中野家住宅離れ」は、賓客用の座敷棟として大正時代後期に建てられ、3階建ての「望楼」は瀟洒な洋風建築で、地域にとってランドマーク的存在となっています。
(長門市教育委員会文化財保護室長 瀬勇祐学芸員)
「中野家住宅は町家の歴史的な景観となる非常に重要な建物。国の有形文化財は市内初。今後、長門市内で古い住宅であればこういった事例が続いていけばいい」
中野家住宅は、現在中野さん夫婦が住居として使用していて、長門市では建物の保存に向け、その方法を探りたいとしています。