大手メーカーとの競争激化や原材料費の高騰などで債務超過が続き、2月に破産手続きを開始した宇部市の「松月堂製パン」について、山口県などの関係機関は160人あまりの失業者の再就職に向けて支援を始めています。

これは10日に行われた県議会の委員会で県の担当者が報告したものです。

「松月堂製パン」は1934（昭和9）年に宇部市で創業し、パンの製造や小売りのほか学校給食も提供していました。

しかし設備の老朽化や大手メーカーとの競争激化、原材料費の高騰などで減収傾向となり債務超過が続く中で、2月28日に破産手続きの開始決定を受けました。

地元の雇用への影響が大きいとして県は3月にはいって、山口労働局とハローワーク、地元の宇部市と情報共有を行い、工場のある宇部市を中心に164人の失業者がいることを報告しました。

（県の担当者）「ハローワークが失業給付の手続きを始めるとともに、市役所が健康保険の手続きを説明するなど離職者の生活の安定に向けた取り組みを先週のうちに開始した。」

また、学校給食についてはすでに別の業者に引き継がれていたことから「学校現場への影響はなかった」としていて、県では今後関係機関と連携し離職者の円滑な再就職に向けて必要な支援を行っていくとしています。