岩徳線の踏切死亡事故で運輸安全委が報告書 第3種踏切は「廃止が望ましい」
2023年9月、山口県岩国市のJR岩徳線踏切で列車と軽乗用車が衝突し1人が死亡した事故について、国の運輸安全委員会は報告書を公表しました。
事故は23年9月3日午後4時半ごろ、岩国市周東町の中原踏切で発生。
JR岩徳線上り列車と国道から踏切に進入した軽乗用車が衝突し、軽乗用車の運転手男性(42)が死亡、同乗者1人と列車の乗客1人が負傷したものです。
中原踏切は警報機があるものの遮断機のない第3種踏切です。
公表された運輸安全委の報告書では、踏切の警報機が作動中に軽乗用車が誤って踏切に進入したことにより事故が発生したと推定。
誤進入の原因は「運転手が列車の接近に気付いていなかった可能性が考えられるが、死亡しているため詳細を明らかにすることはできなかった」としています。
そのうえで再発防止のため望まれる事項として、「第3種踏切は廃止が望ましく、廃止できない場合は遮断機を設置し第1種踏切に改良すべき」と指摘。
JR西日本管内や岩国市には他にも第3種・4種踏切が存在していることから、同社や沿線自治体等に対し、踏切の廃止や第1種化について合意形成へ向け継続して協議することを促しています。
なお中原踏切は事故後、JR西日本が遮断機を設置し第1種踏切に改良したほか、岩国市が乗用車等に対する標識や停止線を新たに設置しています。