「小遣い稼ぎ」と誘われ…JRのレールボンド窃盗事件の実態は? 実行犯の男の初公判
ことし2月、JRの銅製ケーブル「レールボンド」が山口県内で相次いで盗まれた事件に関与したとして、窃盗の罪で起訴されている宇部市の建設作業員の男(21)の裁判が7月3日に始まりました。
この事件はことし2月、山口県内のJRの線路から「レールボンド」と呼ばれる銅製のケーブルが相次いでなくなっているのが見つかったものです。
この事件をめぐっては関与したとされる5人の男が逮捕・起訴されていて、ことし2月6日から9日までの3日間、未明の時間帯を狙ってレールボンドおよそ450本を盗んでいたとされています。
男(21)は、このうちの一部に関与。
起訴内容によりますと、ことし2月9日の午前0時ごろから3時55分までの間、他の男3人と共謀しJR居能駅構内の線路などからレールボンド118本(約76万1200円相当)を切断して盗んだとされています。
この居能駅の事件で犯行グループは、盗んだレールボンド118本を7万7000円で売却していました。
7月3日、山口地裁宇部支部で開かれた初公判で男は起訴内容を認めました。
検察側は冒頭陳述で「男は犯行前日の夕方、知り合いだった宇部市の会社員の男(22)から『小遣い稼ぎでレールボンドを盗みに行こう』と誘われ犯行に加担した。犯行当日は知り合いの男と一緒に、クリッパーを使ってレールボンドを切断する実行役を担った。」と指摘しました。
そのうえで男が今回の犯行で7~8000円の報酬を受け取っていたことや、一連の犯行を宇部市の自動車修理業の男(22)が指示していたことも明らかになりました。
また、この日は男の母親による証人尋問も行われ、母親は「NOと言えず、断ることをしない子だった。付き合っている人間がまずかったと思うし、断る勇気がなかった息子も悪かったと思う。」と心境を語りました。
次回公判は、7月17日の予定です。