震災後初のセメント運搬船が入港 石川・七尾港受け入れ再開 復旧工事への安定供給に期待
七尾港に2日、震災以降初めてとなるセメントの運搬船が入港しました。被災地の復旧工事などに不可欠なセメントの海上輸送が復活となり、安定供給に期待がかかります。
2日、七尾港の専用ふ頭に入港した一隻の大型船。
重盛 友登 記者:
「復旧工事に欠かすことができないセメント。船による搬入が可能となったことで安定供給につながるということです」
運搬船が運んできたのは、コンクリートの原料となる約3800トンものセメントです。
セメントは、砂利や水を混ぜることで強固なコンクリートとなり、奥能登では去年の地震以降、建設が進んだ仮設住宅のほか、港や道路の整備に大量に必要とされてきました。
被災地の復旧には欠かせない資材ですが、地震の影響で、金沢港と並んで石川県内では搬入量が多い七尾港は、船が接岸できない状態に…
このため、県内では港からの搬入量が激減。前年の3分の1ほどにまで落ち込みました。
この1年は、奥能登への供給を切らさないよう搬入業者が県外からトラックで運び、カバーしてきたといいますが…
佐々波コンクリート工業・佐々波 泰輔 常務:
「やっぱり骨材関係はトラックが公費解体関係で逼迫している状況で、今まだ復旧工事(の発注)が落ち着いているんですけども、本格的に始まると道路がすごく混み合うと思うので、やっぱりトラック輸送だと限界がある」
この先、復旧工事の発注が混みあってくると交通量が増え、陸路での搬入スケジュールに遅れが出るおそれがあるといいます。
佐々波コンクリート工業・佐々波 泰輔 常務:
「船で来られると一気にたくさんの容量で持ってこれるので、安定供給していただけるのでは」
こうした中、2日から七尾港で始まったセメントの海上輸送。
「ドルフィン」と呼ばれる鋼鉄製の桟橋を4か所新設し、運搬船が入港できるようになりました。
トラック200台分のセメントを一度に運ぶことができ、ひと月あたり約2万トン以上の搬入を見込んでいます。
住友大阪セメント・福嶋 達雄 常務:
「今年度から能登地震の復興需要も本格化するというところで、我々も供給に努めてまいりたいと思います」
道路や港、住宅工事… 街づくりに欠かすことのできない重要な資材、セメント。復旧復興の加速へ向け、安定供給が始まりました。