能登高校書道部 地元の「復興 再生」願い…高校生が書に込めた感謝の思い
能登町役場にある避難所では現在も避難生活を送っている人々がいます。
役場に掲示されているのは…「復興 再生」と力強く書かれた書道作品。
「復興、復興しかないですよね。前を向いて復興するしかない」
「すごい力強いなって。勇気、たしかにもらいましたね。私たちも頑張ろうと思いました」
この作品を書いたのは地元・能登高校の書道部員。
これまで地元のイベントなどで人気の書道パフォーマンスを披露してきました。
その中の1人、薬師杏弥さん。
元・書道部部長・薬師杏弥さん:
「『この先どうしていけばいいのかな』みたいな周りも崩れている家とかあって、『元の生活に戻れるのかな』っていうすごい不安はありました」
元日の地震で能登町内の杏弥さんの家も壁が崩れるなどの被害を受け、不安な気持ちを抱えていたといいます。
それでも、筆をとった訳とは。
薬師杏弥さん:
「復興に向けた言葉とか作品を作 りたいねっていう話を一番最初に部長がしてきて、その時みんなも同じ気持ちで」
野々市市に避難中の書道部部長・紗奈さんの「復興書道したい」という呼びかけに杏弥さんたちの気持ちはひとつに。
能登町役場からの依頼もあり作品を書くことを決めました。
そして、学校の再開から間もなくして登校できる部員たちが集合。
水が使えなかったため作品を書く時に使った墨汁を入れる桶は雪で、筆は湧き水で洗い、2日間で作品を書きあげました。
そして、地震発生から1か月ー。
杏弥さんたちの作品は能登町役場にありました。
薬師杏弥さん:
「みんなも不安な気持ちになって いると思うんですけど、この作品で少しでも前を向くきっかけになってくれたらいいなという思いで書いていました」
能登半島のイラストをバックに「復興 再生」と力強く書かれた作品。
支援への感謝や「みんなで手を取り合って前を向いて進もう」という部員たちの想いが込められています。
作品を見た人は。
「生徒さん達が想いを込めて書かれたのかなと思う」
「復興するしかないですよね、もう本当に。元に戻せるか分かりませんけど。再生されて…私らも思っています」
「うれしいですね、私たちが。私たちにエールを送ってくださっているんですよね。私たちこそ『ありがとう』という気持ちになります」
卒業後は小学生からの夢であった看護師になるため大学進学を機に地元・能登を離れる杏弥さん。
薬師杏弥さん:
「卒業したら地元に戻ってきて看護師として貢献できたらいいなと思っています」
「(能登は)すごくいい町なので 生まれ育った町でいっぱい支えてくれた人たちがいるので恩返しみたいな感じで働きたい」
「能登が好きです」