災害ボランティアに「ありがたい…」能登町で受け入れ開始 珠洲市では仮設住宅への入居を前に… ブリで支援“日頃の恩返し”も…
珠洲市では第一弾となる40戸の仮設住宅への入居が9日から始まるのを前に入居者に鍵が渡されました。また、能登町では災害ボランティアの受け入れが始まりました。少しずつ前に進む“被災地のいま”を取材しました。
40戸の仮設住宅が珠洲市の正院小学校のグラウンドに完成しました。
近隣の公民館では8日、入居者の一部を対象にした説明会が行われ、部屋の使用方法の説明や電気代などの支払いの手続きが行われました。
入居予定の50代の男性は、高齢の両親と避難所で生活をしていますが、両親は耳が遠く、二次避難が困難なため、仮設住宅への入居を希望しました。
入居予定の男性
「年寄りなんでほかに連れて行くのもどうかなと思って。こちら(仮設住宅)のほうが自分の家のようで落ち着けるのでは」
市内では今も1375人が避難所で生活し、仮設住宅への入居の申し込みは1600件を超えています。県は仮設住宅の建設を急ぐとしています。
一方、甚大な被害を受けた能登町では、ついに災害ボランティアの受け入れが始まりました。
初日のきょうは、11人が現地に入り、がれきや崩れた家具など災害廃棄物の片付け作業を行いました。
被災者
「道の悪い中ありがたい。遠いところからね…」
大阪からボランティアに参加
「正月から地震が来て、すごく大変そうなのをテレビで見て、直接現場に行って、助けることができればと」
被災地域が点在する能登町では、ボランティアを受け入れる本部を町内に3か所設置し、効率的に作業を進めます。
能登町災害ボランティアセンター 小路芳宏センター長
「町民全員が被災している。ボランティアを待ち望んでいる人が多くいるので、ぜひ町民含め全国の皆さん、能登町に力を貸してほしい」
災害ボランティアは、今月25日まで、同じ規模で活動を続ける予定です。
一方、金沢市の2次避難所に登場したのは、あつあつの”ぶり大根”
”ぶり大根”を食べた避難者は―
「おいしいです!おいしいでしょ!」
「ブリ美味しいです。(避難所では)魚あまり食べていないので」
この炊き出しを行ったのは鹿児島県長島町の漁業関係者ら20人です。
特産のブランドブリ“鰤王”をふんだんに使った“ぶり大根”などが7日から振舞われ、およそ250人の被災者らが訪れました。
この炊き出しが実現したのには、ある理由が―
実は、ブリの消費量が全国上位の石川県内に向けて、長島町のブリが、40年以上にわたって出荷され続けているのです。
鹿児島・長島町 川添健町長
「日頃から鹿児島県の長島町の“鰤王”を食べていただいているのですから、日頃の感謝を込めて恩返しをしようと。この決断をして、実行して、本当に地域の方々から喜んでいただけて良かったなというのが実感です」