2020年、鹿屋市で女性（当時35）を殺害し車を奪ったなどとして、強盗殺人などの罪に問われている男の裁判員裁判で、検察側は2日、悪質な犯行であるなどとして男に対し無期懲役を求刑しました。

　強盗殺人などの罪に問われているのは、本籍が肝付町で無職の田畑悠也被告(31)です。

　起訴状などによりますと、田畑被告は2020年、鹿屋市内の駐車場に停めた車の中で、SNSで知り合った女性（当時35）の首をシートベルトで絞めて殺害。女性の車を奪ったうえ、遺体を遺棄したなどとされています。

　初公判で田畑被告は、「殺すつもりはありませんでした」などと起訴内容を否認していました。

　2日の裁判で検察側は、「人を死に至らしめる危険性の高い行為という認識があり、殺意があったことは明らか」とした上で、「身勝手な犯行で反省の態度が見られないとして無期懲役を求刑しました。一方、弁護側は、「計画性がなく行き当たりばったりの行動で、女性を傷つけることは考えていなかった」と主張。

　強盗殺人の罪ではなく強盗致死の罪が妥当として、懲役20年以下の判決を求めました。最後に田畑被告は「被害者に心からお詫びします。 本当に申し訳ございませんでした」と述べました。

　判決は2月22日に言い渡されます。