鹿児島市で工事中の東西トンネルの掘削作業が9日から本格的に始まりました。貫通時期は当初来年5月の予定でしたがより慎重に工事する必要があるため、夏から秋ごろに遅れる見通しです。

　鹿児島インターと中心市街地の間の交通渋滞を減らそうと計画が進む鹿児島東西道路。田上インターから甲南高校までの下りのトンネル、2.3キロの掘削工事が進められています。

（磯脇琢磨アナウンサー）
「地下に筒状の大きな空間が広がっています。ちょうどこの辺りが市電の線路沿いだということです」

　去年11月に甲南側から始まった工事は、掘削機「シールドマシン」によって今年6月までに約170メートルが掘削。シールドマシンの後方にベルトコンベアなどの設備の配置が完了したため、9日から本格的な掘削作業が始まりました。

（磯脇琢磨アナウンサー）
「削られた土砂がベルトコンベアで外へと運び出されています」

　これまで、シールドマシンの進む速さは1分に1センチ、1日に5メートルほどでしたが、これからは1日に10メートル進むことが可能になります。

（大成・大豊JV鹿児島東西道路シールド作業所・常田 和哉 現場代理人
「ベルトコンベアによる搬送に変わったので、1分間当たり20ミリ。倍の速度で進むことが可能になりました。設備の入れ替えの工事をいれたが、今回をもって設備がすべて整ったので順調に進んでいくような形で施工を計画していきたい」

　当初、東西トンネルの貫通時期は来年5月の予定でしたが、JRの線路や調整池の下を掘るためより慎重に工事する必要があると判断。来年の夏から秋ごろまでに遅れる見通しとなりました。

（国土交通省鹿児島国道事務所・龍博文技術副所長）
「トンネル自体の掘削が終わった後も、その後に残された工事がかなりある。現時点で開通の時期を具体的に示すのは難しい。まずは安全第一で工事を進めて、周辺の住民や環境にしっかりと配慮して工事を進めていきたい」

　貫通後も、避難路や甲南高校前の出入り口の整備などが残っているため、開通までにはさらに数年かかるということです。