【会見全文】楽天・森井球団社長 安樂投手ハラスメント「直接被害は10人 見聞きしたのは40人」 近く相談窓口を設置
楽天野球団 森井誠之 社長
30日午後4時 楽天モバイルパーク宮城で会見
【会見冒頭コメント】
森井社長:まず初めに、ファンの皆様、そして関係しているすべての皆様方、その皆様方に大変多大なるご心配ご不安を与えてしまいましたこと、このような事態になりましたこと大変深くお詫び申し上げます。申し訳ございませんでした。
森井社長:まず初めに皆様へお伝えしました通り、今月の25日から全選手監督コーチ、スタッフに対してアンケートを実施してまいりました。アンケート結果をもとに、各選手へのヒアリングを実施し、改めて本人への確認も行いました。アンケート結果と本人へのヒアリングを照らし合わせた上で、専門家の意見もいただきながら、調査確認を慎重に進めて参りました。その結果、これまで報道がなされていた事象について、安樂選手に関してほぼ事実ということが判明いたしました。本人としても、「大変申し訳ない」と反省の弁を何度も述べております。被害者やファンの皆様に直接自分の口で謝罪をしたいと何度も申し上げております。しかしながら、本件に関して球団としては見過ごすことのできない重大な事象ととらえ、本日提出期限であります保留選手名簿への記載をしないという結論にいたりました。改めましてファンの皆様、そして関係するすべての皆様に多大なるご心配ご迷惑をおかけする事態となりましたこと、改めてお詫び申し上げます。この度は誠に申し訳ございません。
【アンケート調査結果の説明】
森井社長:先ほど申し上げた全選手監督コーチスタッフへのアンケート調査の結果でございます。137名への調査を行いました。回答率は92%です。直接的な被害を受けたと自覚している選手、約10名。見た聞いたという選手、約40名。こちらの見た聞いたという選手に関しましては、程度の違いというところまでは調査はしきれておりません。従いまして、あくまでアンケート調査の中での「はい・いいえ」ということになりますので、こちらに関しては精査は必要になってくるかと思います。以上です。
【質疑応答】
Qアンケート結果を受け、ハラスメント事案という認識ですか?
森井社長:ハラスメントというところの定義というのが厚労省から出されております6分類の定義というのがございますが、こちらに照らし合わせたアンケートになっています。こういったものを聞いた、見た、自覚あるかということです。それに対して、今回その事象に値するという結果が出ておりますので、我々としてはそこに該当するケースが多いということから、そのような判断をさせていただいた。
Q選手からの告発からアンケートに至るまでの経緯は?
森井社長:時系列的に言いますと、契約更改のタイミングで選手からの発言が出てきました。それを受けまして、安樂選手本人と面談をする機会がございました。そのタイミングで本人と確認をしようという流れの中で新聞報道にあります通りの事象が起こったということがありましたので、タイミングとして確かに1人目2人目というところですぐに、ということは反省しておりますけども、長い時間をかけたということではございません。
Q本人から謝罪があったという話もあるが本人からの釈明の場は?
森井社長:本人から謝罪をしたいという旨は受けております。そしてそういう場を設けたいということを本人は言っております。その上で、我々としては仮にここで保留者名簿から外れたとしてもその場を作るためのサポートというのは我々でもすることはできるということは本人とも話しておりまして、タイミング、時期というのもは当然本人も反省し、それから学ぶ、その上でしっかりと反省をするというタイミングを一緒に話していくということはこれからあると思います。
Q被害を受けた選手、チームとして今後の対応策は?
森井社長:選手に対しては既に全選手に対してパワハラという先ほどの申しあげた定義の部分だったりとかこういったものはよくないというのは改めて全員に周知をしております。その上で、今度選手たちと会うタイミングのところでしっかりと今回の経緯というのはお話させていただく予定でございます。なお、すでにヒアリングは何度も行っておりますので、その過程の中でまた結果を伝えなければならない選手はいますので、そこに対してのフォローを行っていく予定です。
Qここまで事態が深刻化したこと、組織としての現状の問題点は?
森井社長:特に先ほど見た聞いた人数が多いというところは非常に重くとらえております。これは選手の問題ではなくそれを見た聞いた感じたときに誰に言うべきか、すぐ相談する相手がいるのか、その窓口があるのか。それがないということに対して十分でなかったということに対して非常に重く責任を感じております。今後に関しましては当然、相談窓口はさることながら話しやすい環境、相談しやすい環境、コミュニケーションそういったものを日々行っていく必要がありますし、それをちゃんと匿名、秘匿の状況の中で伝えられる状況というのをしっかりと申しあげられるような場所を作るというのが重要なのではないかなと思います。それが無かったことに対する球団の反省は非常に大きいと思います。
Q具体的にどのような行為があったと球団として確認した?
森井社長:一部報道にございました、平手打ちというものです。こちらに関してはヒアリングをしましたところ平手打ちの事実は無く、ただし身体的に押したという事実は双方にありました。この押した箇所に関しての相違がまだございまして、そこに関しては食い違いズレはありますが、押した行為は認めたということでございます。それ以外のもう一つロッカールームでの出来事に関してです。こちらに関しても報道の通り概ね事実であったということは確認できております。それ以外の言葉遣いに関しましては先ほど申し上げた通り6分類の中でこれに該当する発言なのではないかというところをヒアリングの上いくつか確認できておりますので、そういったところを総合的に判断させていただいたというのが今回でございます。
Qロッカールームでの出来事というのは下着を脱がせてという事象でしょうか?
森井社長:はい。
Q発言は「バカ」とか「アホ」とか申し上げたと?
森井社長:はい。
Q安樂選手への調査結果は全て終了?まだ調べる?
森井社長:今回、安樂選手に関しての部分はこれで終了で良いと思っています。というのは今回このような判断で登録名簿から外すという重たい判断に至ったわけですので。ですが今後球団としましてはそれ以外も含めたことは今後起こってほしくない。その一心でございますので、そのために今後窓口を設ける、定期的なアンケートを行う、そういった形で何か起こったときに個別面談相談ができるような形を取って事前解決を図っていくことは続けていく予定です。
Q個人名簿から外れるというのは自由契約になったということ?
森井社長:そうです。
Q今後再契約をする可能性は?
森井社長:現時点では2024年度でということは考えておりませんが、当然彼の将来をすべて否定するものではないということはありますので、今後彼の行動、行いを含めて面倒見るといったら変ですけれども、我々に所属した選手ですので、しっかりとみてあげたいなと思っています。
Q被害者がいる中で第三者機関、警察への相談などは考えている?
森井社長:現時点ではそのような話は出ておりませんので、我々としては特段動きはしておりません。
Qアンケートで安樂選手以外の選手のパワハラ行為は出てきた?
森井社長:出てきませんでした。
Q今後面倒を見るというのはどのようなものを想定?
森井社長:まだあまり先の話をするべきではないと思っております。まずは本人がみなさんに謝罪をしたいと申しているそのサポートを全力ですることだと思っています。
Q球団としては契約更改時、アンケートで初めて知った?
森井社長:はい。
Qただ「見た知った」は過去形なのでシーズン中にそのような行為があった?
森井社長:そこまで深く調査ができておりませんので、その詳細を40人にヒアリングできていませんのでそこはシーズン中なのかその後なのかまだ追い切れていない状況です。
Q仮にシーズン中だった場合なぜこの時期になった?
森井社長:私が憶測で話せるものではないが、話をできる場が契約更改の場だったということが先ほどの球団の場を設けていないことにつながるのではないかと思っています。
Q契約更改時にしか話が出ていない環境だとするならば、野球界や球団の風土体質が対応の遅れにつながったと考えられるか?
森井社長:はい。仰る通りで、野球界のことについて私が断じるわけにはいかないのですが、わが球団としてそういう場を設けていない。仮に場を設けても話せないかもしれない。そういったところというのがちゃんとできるような形を模索して日々アップデートしていかないと、現代、新しい状況の野球界につながっていかないと思いますので、そこは全力をもってやっていきたいと考えている。
Q野球界ですと年齢だけでなく年俸やキャリアなど上下関係が複雑だと思うが、その中でハラスメント行為がなかなか明らかにならない難しさは感じている?
森井社長:今回も先ほど申し上げた厚労省が定義しているところにいきますと、上司であり部下でありいわゆる組織の中での定義がありますけれども、それぞれが個人事業主としてプロとしてやっていく中で複雑な関係性というのは特異なものだと思っておりますので、これはスポーツ界としてもそうですし、他の業界も難しいところはあると思います。ただ客観的に見てどういう業界であろうと良くないと、不快に思うとか、そういったことをコミュニティの中で行うということ自体がよくないことだということになりますので、仕組みとしては考えなければなりませんが、この難しさは乗り越えないといけないですし、しっかりとそこは向き合わないといけないことだと思います。
Qアンケート結果について今年だけでなく複数年に渡って行われたということ?
森井社長:まだそこまでのアンケートは取れておりませんで、あくまで期間というのは限定せずに、「こういったことを受けたことはありますか」「見たことがありますか」という形にしておりますので、期間がいつというのは追い切れていない状況です。
Qロッカールームで起こったことを把握するのは難しいかもしれないが、風通しを担保するために窓口を作る以外に考えていることはある?
森井社長:まだ今ここではっきりとこれだったら行けるというのは無いんですけれども、いずれにしても窓口は当然のことだが日々のヒアリング面談も個別にやれる機会というを定期的に設けていく必要があると思いますので、今回先ほど申しあげた契約更改も一つの面談の場でございます。これが1年に1回ではなく定期的に行われるということができるのであれば、その中で出てくる発言を見逃さずにいくことがまずは最大限のことかなと思っています。
Q安樂選手には自由契約になることはどのように伝えた?
森井社長:昨日(29日)私から本人に直接伝えさせていただきました。場所については控えさせてください。
Q森井社長はどのように伝え、本人に反応は?
森井社長:まず冒頭は本人の謝罪から入りました。その上で、我々の決断として30日をもってこの保留者名簿から外させてもらいます。自由契約となりますという話をさせてもらいました。その時の反応としては、「かしこまりました。自分としてはとにかく謝罪をしたい。社長を含めて皆様にはご迷惑をおかけしました。その上で被害を与えてしまった選手たちに直接謝罪をしたい」というのを何度も申し上げていました。
Q在籍する選手やスタッフにはどのように伝えていくのか?
森井社長:11月をもっていったんシーズンとしては終了してしまい皆さんバラバラの場所に行ってしまいます。従いまして個別にはなると思いますが、丁寧に伝える場は必要だと思っています。加えて恐らくそこでは全部はまかないきれないと思いますので、口で説明する場としてはキャンプのスタート前のタイミングで全員集まる場を考えています。さらにその場で今回の説明をするのと同時に既にお送りしているパワーハラスメントに対しての理解を得るための講習を専門家を呼んで行うということを計画している。
Q監督には自由契約について報告したか?反応は?
森井社長:監督としても一緒にやってきた仲間ですのでショックを受けているのは間違いございません。その上でただチーム全体の輪を監督としてはみなくてはいけないということで致し方ない決断であるということは受け入れてもらっています。
Q発覚してから短い期間での判断だが、森井社長自身のお気持ちは?
森井社長:まずは被害を受けている選手がいるのが前提です。なので、被害を受けている選手のことを考えて、1日でも早く改善しないといけない、このチームを直さなきゃいけないという前提で動きましたので、もっと1日でも早くてもいいぐらいの状況だったと思います。一方で、一人の野球選手の人生がかかっていることですので、早計に判断しすぎることへの怖さと責任の重さは間違いなくありますので、専門家の先生や周りのメンバー総合的な判断を下すために何時間も使って、すぐに判断しようということでやりましたので、私としては〝1日でも早く改善したい〟が先にありました。
Q約10人の被害選手について現在の精神状況と、実際にあった被害は?
森井社長:各選手には個別に連絡を取って心的なケアの面ではコミュニケーションが取れているので大丈夫だと思っています。物理的なこととしては記事にありました以外のことは一切書いておりませんでしたので、押したという行為とロッカールームでの行為この2つに関しては記載がありましたのでこの2つのみになります。
Q他の8人は物理的な被害ではないということか?
森井社長:そうです。言葉による部分というところだったり、「一緒にご飯に行こう」と誘うのを断りづらい状況になるとかそういうのも含まれている。
Qご飯を誘って断られた場合に夜中にしつこく電話をかけたというのはハラスメントに該当しない?
森井社長:該当します。
稲垣弁護士:補足ですが、報道にある「罰金」についても事実だと確認された。平手の部分については両者に確認したけれども平手だったということは確認できなかったけれどもそれ以外についてはおおむねそれにそった事実が確認された。
Q大きなくくりだと2件だが言葉を細分化すると複数件ある?
森井社長:2件と僕が申し上げたのが大きい事象として報道で出ているのが平手打ちとロッカールームということだったので2件と申しあげてしまったのですが、それ以外も含めて複数件ありました。
Qその複数件は何件?
稲垣弁護士:時間が限られている中で明確に何件というのは無く、アンケートの結果として具体的に何回でしたと詳細に回答いただいていないので、具体的な回数というのは難しい。ただ、暴言「バカ」とか「アホ」とか報道されているものについては概ねそれに沿う事実があったというのを確認したということです。
Q自由契約というのは球団を離れるという形になるか?
森井社長:契約上はそういうことになります。
Q10人が被害、40人が見たという中で契約更改で初めて知ることについて疑問に感じる。見て見ぬふりをした黙認したということはあるか?
森井社長:ないです。
Qそれは、選手もコーチも監督も球団も知っていたけれども、なぜ契約更改やアンケートでなければ言えないのか?
森井社長:程度の問題があるとは思っています。程度というのは、今回6個の定義をしっかりと明示してこれにあたりますかというところに対して「はい・いいえ」が出てきたということなので、それまでの状況の中でこれがそうなのかな?というのはそれぞれの中で分からなかった部分はあると思います。
Q定義、世の中のハラスメントに当てはまらずとも、されて嫌なことというのは普通に分かると思うが、それが表に出ないことへの疑問はなかったのでしょうか?
森井社長:今回のことを受けてなぜ表に出てこなかったのだろうという疑問は当然持っておりますので、そうさせないためにどうするかというのをこれからやらないといけないということだと思っています。
稲垣弁護士:補足ですが、これまで会社として把握できなかったこと自体が、そういうことをあまり言い出せない聞こえてこない雰囲気になってしまっている、ここに至るまで確認できなかったそういうこと自体に球団として責任を強く感じている。
Qこの件について三木谷オーナーの反応は?
森井社長:逐一報告はさせていただいております。その中で適切な対応をとるようにという言葉と、選手に対するケア、とにかくそこをしっかりとやってくださいと承っています。
Qスポンサーへの影響のフォローは?
森井社長:ファンの前で模範になるべきものがプロスポーツ選手である、そのスポーツ球団の中でこういったことが起こったということは当然スポンサーの皆様へどう改善していきたいのか、するべきなのかを時間をかけてでも私の方からお伝えさせていただく所存でございますので、その上でご理解いただいてなんとか今後とも支援をいただきたい。その中でいろいろアドバイスを頂けるものであれば、それを頂いて吸収していきたいと考えています。
Q球団への誹謗中傷について伝えたいことがあれば
森井社長:今回の調査を受けて全選手監督コーチの中からそのような事象、安樂選手以外における他の選手の事象というのは出てきておりません。従いまして、その中で憶測による、いわゆる記事でありそれに対するコメントというのはぜひともお控えいただきたいと思っております。他の選手たちも正直自分は注意できなかったのかとか、そういったことというのも深く反省している選手がほとんどです。何度話をしても自分たちが申し訳なかったという話合いになります。従いまして先ほどなんで出てこなかったんだという話も含めて自分たちは近くにいたのにという選手もいる中で、それに対して仲良くしゃべっているから犯人だろとかというのが映像では切り取られてしまうという現状もあるので、それだけはぜひ避けていただきたいですし、批判するのであれば球団の方に、球団の管理体制を問うてほしいなと思います。
Q被害の10人には安樂選手の処分伝えていない?
森井社長:はい、まだ伝えてません。
Q警察には出さないという話だが、10人の方々も同じ話になっている?
森井社長:はい。今の段階でそういうことを行うということは一切ありません。
稲垣弁護士:補足ですが、基本的には被害者と言われている人たちとの関係で、捜査機関に対して告訴ですとか処罰を求めるというところがあればもちろん球団としても尊重して対応含めて検討していくが、現時点で被害者とされている人たちの回答としてそういうところは特段聞いていないので、球団として現時点で特別な処置をとるというところは考えておりません。
Qハラスメントの件で、報道で出ているといわれると間違っていると困るので具体的に説明していただきたい。どれがハラスメントに該当したか。
稲垣弁護士:大きな象徴的なところできているのは平手打ちの部分ですね。そこについては、平手打ちであることは確認できていません。ただ、押したという、身体的な暴行という言葉が正しいのか身体的な接触があったというのは事実だったと確認しています。次にロッカールームでの件についても基本的にはそういう事実があったという風に確認されています。同時に、食事に誘われて行かなかったときに深夜に電話をかけたという風に報道されたことについても、概ねそれに沿った事実があったと確認しています。それから、罰金という形で後輩とかほかの選手から罰金という名目でお金を徴収するプール金というか、そういう風なこともあったとそれに沿ったような事実があったと確認されています。あとは暴言ですね、いわゆる「アホ」とか「バカ」とかそういう風な具体的な発言についても複数の選手たちがあったと言っていますし、それは本人も認めているところでそういうこともあったという風に確認しています。
Q調査自体は他の部分についても調査終了?
森井社長:今後スタッフも含めたアンケート調査の中では直接的に該当してすぐにこのような事象になるということではないですが、やはり気になるような発言がスタッフ間でもあったりはあるので、この後また引き続き一人ひとりと話をしていくということになりますので、これを続けていくことが大事かなと思います。
Qそれはハラスメント?不満?
森井社長:双方が言っている部分があったりするので、その辺は個人間のトラブルと置いておくのではなくて、どういうことがあったのかというのはしっかりと聞いてあげる必要がありますし、ニュアンスはアンケート調査だけでは伝わりづらいので、ちゃんと直接目を見て話を聞いた上で判断したいと思う。
稲垣弁護士:安樂選手の件以外について一切明らかにならなかったという趣旨の発言あったと思いますが、そういうわけではなく、基本的には今回安樂選手を巡る形でのアンケートですが、当然安樂選手以外の部分についてもそういう風なことはなかったと聞いています。それについて基本的には安樂選手に関するものでしたけれども、いま一部は社長からも申し上げた通り、一部そういう強い言動とか、球団として必要に応じてしっかり指導して改善しないといけないのではないかと判断しうる部分が複数件あるので、ただ今回実質5日間の調査でなかなかそこについてすべてヒアリングをして改善までというのは限界があるということですので、安樂選手との関係でいうと今回この決断を下すために事実の確認をいたしましたが、それ以外の部分についても球団として必要な対応をしていく。こういうパワハラとかそういうものを根絶していくという決意のもとで引き続き対応を進めていきたいと考えています。
Q罰金という話があったが、程度が知りたい。金額を球団として把握しているか?
森井社長:罰金については球団が関与するものではなかったということがありまして、我々としてはそこの部分は詳しく把握しておりません。ですが、その行為があったというアンケート調査結果が出ているのでそこに関してはもうちょっとヒアリングする必要があるかもしれません。
Q事実として確認はできている?
森井社長:はい。
稲垣弁護士:罰金という名目というか、忘れ物をしたり失敗をしたということを理由に罰金という形でお金を徴収したという事実は確認していますが、具体的に金額1回あたりいくらというところまでは明確に裏付けはヒアリングできていない。そこは球団としては関係のない選手間でのやり取りということもあり現時点で詳しく把握できていない。
Qロッカールームの件は具体的にどういった件だった?
稲垣弁護士:逆立ちをした状態で下半身を脱がしてという風な事実というかケースですね。
Q(下半身を)出させたという?
稲垣弁護士:出させて、靴下をかぶせたということですかね。報道されている内容だと思いますけれども、基本的にはその通りの事実があったということです。
Q選手側に今後の対策や動きはある?
森井社長:私が聞いている範囲では選手の集まり、納会を自主的にやめた。今回の報道を受けて自分たちが集まっている場合ではないのではないかというところで自主的に彼らはそうしたと。それは球団行事ではございませんので、正式に把握しているものではないが話はありました。その上で、今後どうしていきたいどうしていったらいいですかということは相談を受けておりまして、この調査と裁定が終わったら一緒に話そうということになっておりますので、彼らとしても自分たちでどうやって改善していきたいという意見があるはずなので、吸い上げながら一緒にやっていきたいと考えている。
Qそれは選手会が中心になってやっている?
森井社長:はい。楽天イーグルスの選手会の中でということです。
Qスポーツ選手のズボンを脱がすということは一人でやるのは大変な気がするがこれも安樂選手一人でやったことなのか?
森井社長:どういう状況の中でそういうことが行われたかは調査しきっておりません。ですが、それは感覚で一人じゃ無理なんじゃないかということに対してそうじゃないかという発言で話し合いはできないので、それを一人でやったのかということはもう一回確認しなければならないと思います。
稲垣弁護士:基本的には先ほど社長からありましたようにアンケートの結果、基本的には安樂選手に加担したり一緒にそういう行為を手伝ったりとかは一切出てきていません。基本的には彼、本人一人というのがアンケートの結果ですし、複数人にヒアリングをしていますが、安樂選手以外に一緒にロッカールーム以外の件を含めて安樂選手と一緒に何かをしたりとか、はやし立てたりとかいう事実は確認できていません。今、複数名でないと難しいのではないかという趣旨は無理矢理脱がしたとか、嫌がる本人を押さえつけてという前提を想像されているかもしれないが、基本的にはおふざけ半分というか、どうしても断れないような雰囲気の中での出来事だと認識していて、そういう意味でいうと無理矢理複数名で嫌がる本人に意に反して脱がしたとかそういう事実ではないと理解いただきたい。
Qズボンに関しては脱ぐことを強要したということ?安樂選手が脱がせたではなく、脱ぐよう指示した?
森井社長:そこは若干食い違っています。そういう状況にならせてしまったこと自体に彼の良くない部分があるのは間違いないですが、自分から脱ぐ、手助けをする、というのはそこまでは調査できていないので、この場では申し上げられない。ただその事象がある現場ができてしまったということ自体が重いということで判断したということ。
稲垣弁護士:そういう意味でいうと時系列を追って何人がその場にいて誰が手をかけてとかそういう細かなところまでは認定はできていないが、被害者本人と安樂選手本人が下半身を脱がせた状態で逆立ちをさせた状態で靴下をかぶせるという風な一連の事実についてそういうことがありましたと基本的には認めているということで判断しています。
Q下着の件も含め、動機の聞き取りはしているか?
森井社長:動機までは聞き取りはできていません。
Qパワハラの期間は?
森井社長:今回のアンケートの調査は期間を限定したものではなく過去にこういったことがありましたかという聞き方なので、申し訳ないがいつからいつまでの間ということにはなっていません。
【自らの責任について】
森井社長:今回の件につきまして、球団内の事象にも関わらずここまで問題が大きくなるまで事態を把握改善できなかったことに関しまして球団代表として非常に責任を痛感してます。従いまして、私自身、月額役員報酬の10%を2か月間自主返納させていただいて、責任を取らせていただきたいと思っています。これで全てではないが、球団の中で改善することを当然最善策として考えながらですが、そのような形を取らせていただければと思います。
Q安樂選手本人は何か話しているか?
森井社長:エスカレートした行為についての話はしておらず、どうしてこれまでこういったことになってきたというところの社会に対しての認識の甘さを何度も話しているという状況なので、どこかエスカレートしてというよりは本人の認識自体がとにかく甘いというのは何度も指導というか話をしてきた。
Q安樂選手以外の選手のパワハラ行為について、アンケートで出てきたのは具体的にどのような行為があるか?
森井社長:実は球団のスタッフも含めて出てきているという案件ではあるが、言葉の強さ、暴言と呼ばれるような言葉の強さによる指導だったりとかいうのが先輩、後輩の中で出てくるということに対して、言葉の使い方を指導しないといけないというのが一番大きいところではあるかなと思っています。
Qロッカールームでの行為を助長するような発言や行動が他の選手から行われてたという選手の証言があるが球団に報告は上がっているか?
森井社長:いえ、今回の中でそういったことが書かれているという事実はありません。
Qハラスメントをまわりがたくさん目撃している中で注意しないまま見過ごしていたという他の選手の行為はハラスメントには該当しないのか?
稲垣弁護士:具体的な状況、周りの反応など具体的な事情を前提としないとハラスメントという定義にあたるかどうかができないので、もちろん傍観といっても、はやし立てるとか、もっとやれとか、もしそういうものがあったのであれば実質的に加担しているという判断にもなるでしょうし、ただ自分はあまり関わりたくないとか遠くに行くとか事情によっては必ずしもハラスメントには当たらないだというという判断もある。そこについて一概に現時点で、見て止めなかったということをもってそれがただちにハラスメントだという風にはもうちょっと具体的な事実がないと判断できないんだと思います、法的には。
Q記事に書いた通り「周囲のみなさんに笑いものにされた、非常に恥ずかしかったし、精神的な苦痛だった」と複数の人間がその場にいて、下半身を露出されて靴下をかぶされている行為に対して、激しく笑っていた、それがつらかったと本人は話している。例えばその状況はハラスメントにあたる?
稲垣弁護士:少なくとも我々がヒアリング調査した結果の前提の話ですので、なかなか仮定でこうだったらと発言してもまたそれが変な形で伝わっても困りますので、そこについては言えないというところかと思います。
Q加害行為をしていた人はいなくなるが、ハラスメント行為を傍観していた人が残ることへの不安がある選手もいると思うがその点は?
森井社長:おっしゃる通りで、普段我々がいない場所、閉ざされた場所で話し合いが出てしまうと分からない部分もあるが、スケジュールまで詳細まで申し上げられないが、一人ひとりの認識をしっかり植えつけるという教育はもちろん、そういったことがあったときにはすぐ我々側から指導できるような情報の吸い上げができるよう人間を置くなり、監視機関として常にコミュニケーション取れる場所に人を置いておくとか、物理的な部分でハードルはクリアしていかないといけないかなと思っています。
Qチームの内部に相談できる窓口を置くということ?
森井社長:そうです。それが必要だと思います。
稲垣弁護士:今回の件で私含め拝見するなかで、ハラスメントというのは自分はそういうつもりではなかったというのがある。被害受けた人も雰囲気で言い出せない、気持ちはあったけれども雰囲気もあって言い出しにくいというところが積もり積もって、しかもシーズンみんな緊張してなかなかそういう余計なことをしたくない試合に集中したいという中での環境だったと思うので、結局安樂選手本人含めてそういうつもりじゃなかったという意識があると思う。本人がそういう風に思っているというのはハラスメントの典型だと思う。やっぱり意識、そういうことはしてはいけないという認識を選手スタッフ含めて持たないといけないというのを球団として認識している。だからこそ、研修、再発防止でハラスメントというのはどういうものなのか。選手として集中している中で、ともすればそれは普通なんじゃないかとか、ハラスメントにあたらないとか意識を正しい方向に理解していただくための研修、啓発を進めなければならない。それがあれば今回のようなことにはならなかったと思いますので、球団としては相談窓口の設置はもちろん根絶するための対応をしていきたい。
Q他の選手も注意できなくて申し訳なかったという話だが、どうして選手たちは注意できなかった?
森井社長:そこまでは聞ききれていません。僕らの問題としてはそれをすぐ言える環境がなかったことへ申し訳ないというところで、どうして言えなかったかまで話はできていない。今後、なんでこういうことを繰り返しているかのヒアリングで深堀していく必要がある。
Q安樂選手いまは自宅待機だと思うが今後の対応と、被害選手と安樂選手の接触は?
森井社長:12月1日からの彼の行動を制限することはできないですが、本人と話をしていて、どういった形で謝罪の意を伝えるかは話し合うという話はしているので、いつでも連絡は取れるようにという約束はしました。彼が物理的にどこにいるかという制限はできませんが、連絡は取れる状況は残している。他の選手に対しては、今日この場をもって被害にあわれた選手に謝意があるということは伝わってほしいが、今自分がこの人にしたと思っている人たちに対して連絡はしてはいけないという話をしているので、逆に我々は被害を受けた選手と連絡はしているので、連絡は来ているかという話はしながら双方に確認をしながらやっていく必要があるかなと。そのケアはしっかりとやっていきたい。
Qアンケートが出てから本人に何回聞き取り調査をした?
森井社長:3名で、アンケート後に1回。時間的には30分くらいだと思います。認定をして、その後、彼ともう1回話をしているという状況。
Q今後の調査について前向き?
森井社長:調査をすることはないと思うが、今後、彼が助けてほしいというときに前所属球団としてサポートするということはお伝えしている。
Q24年シーズン契約は考えていないというのは1年を通して?
森井社長:24年シーズンでの契約はない。
Q選手名簿から漏れるというのは異例と思うが双方合意の上?
森井社長:本当にギリギリなので、そういう意味で、サポートする義務もあると思う。
Q25日に渡辺翔太の契約更改があった際に、報道陣に対して安樂選手の質問をしないでくれという広報からの話があったがその意図は?社長から指示があったか?
森井社長:選手の契約更改は、選手の契約更改の話をしてほしい場面なのでその話はしないでほしい。その代わり私がしっかりメディア対応しますからそのようにしてほしいというお願いをしました。
Q自由契約というのは契約を解除と同じ?
森井社長:契約を解除するというのと同義だが、来期の契約をいったんここではしないという判断。
Q25年以降彼の態度によってはゼロではない?
森井社長:ここでゼロという発言はできないです。ただ、契約意思ありとは思ってほしくなくて、現在の状況で契約できない。ここからどう社会復帰していくか見守っていきたいとは思います。
Q相談体制全くなかったのか。今後の具体的な形は?
森井社長:窓口としては設置していなかった。昨日(29日)、各選手に窓口とハラスメントに対する理解を送っている。コミュニケーションの中で、スタッフに話をするというのはあったが、そういうことに対する相談ではなく日々の相談だった。秘匿性の高い窓口をチームの中じゃないところに置いておかないと上げづらいと思うので、そういう窓口を設ける予定。窓口の1つがメールアドレス、電話などどういったパターンがあるか検証した上で選手に周知する予定。
Qスケジュール感のめどは?
森井社長:12月第2週までにはこういったことをやりますと、15日までに発表しようと思っています。どういうことをやると明記してリリースする予定。それを踏まえて、対面を含めた講習をキャンプの前の全員が集まるタイミングで行うと約束する。
Qファンからのご意見どれくらい?
森井社長:いろんな入り口があるので件数は把握していないが、厳しいご意見目を通している。根絶するよう全力を挙げる所存。