【解説】「台風の特別警報」とは?気象予報士が解説 基準930hPaは約60年前の「伊勢湾台風」
鹿児島県にはいわゆる台風の特別警報が発表されていたが、正式には暴風と波浪と高潮の特別警報が出ていた。
大雨の特別警報は宮城でも出たことがあるが、大雨とそれ以外とでは性質が大きく異なる。
発表基準については、大雨の特別警報は主に雨量によって発表されるが、他の3つは台風の中心気圧で発表される。
基準は930hPaで、今回は基準を下回ってくるだろうということで、台風接近よりも少し前に発表されていた。
ちなみに、930hPaというのは約60年前に上陸し甚大な被害を出した伊勢湾台風という日本の災害史に名を残すような台風があり、その時の上陸時の中心気圧が基準にされている。
この台風に伴う暴風・波浪・高潮の特別警報が前回出たのは2年前だった。
2年前の台風14号も今回と似たルートで上陸時に非常に勢力が強かったため特別警報が発表された。
この台風はその後、宮城の方にも進んできたが、この時はかなり弱まりながら通過していった。
その時の雲とレーダーを見ると、台風の雨雲が日本海へと抜けて偏西風に乗っかって一気にスピードを上げながら東へとやってきた。
ただ、雨雲としてはばらけた状態でやってきたので、宮城では風は強まったものの雨はせいぜい10ミリくらいしか降らなかった。
その時の雲とレーダーを見ると、台風の雨雲が日本海へと抜けて偏西風に乗っかって一気にスピードを上げながら東へとやってきた。
ただ、雨雲としてはばらけた状態でやってきたので、宮城では風は強まったものの雨はせいぜい10ミリくらいしか降らなかった。
今回の予想進路図を見ると、2022年のものよりもかなり南を通る予想となっている。そうすると偏西風に乗っかることができないので、陸地をノロノロ進む予想となっている。
この台風に関してもかなり弱まりながら近づいてくるので、宮城県で特別警報が出ることはない。
ただ、いつが雨風のピークかというのがまだ読めない状況が続いている。