【そもそも.】『夏休み』とは?なぜあるのか?いつからあるのか?
最近耳にする新しい言葉や、聞いたことはあるけれど深く知らないことを、〝そもそも〟から伝える。
今回のテーマは、「そもそも、『夏休み』とは?」
街行く皆さんが、どのように考えているか聞いてみた。
街の人
「(Q『夏休み』はなぜ存在する?)社会人になって、今は存在しない…」
「先生の休暇なのかな、と思います」
「暑いから休む、という感じ。物心ついた時には『夏休み』はあった」
女子高校生
「生徒の息抜き!(Q息抜きは必要?)とても必要!」
「(Qいつから『夏休み』があると思う?)わからないけど…明治時代とか…」
今回話を伺ったのは、仙台市教育指導課・小田暁さん。
まず、『夏休み』はいつからあるのか?これを解き明かしていく。
小田さんによると、仙台市では市が制定した「学校管理規則」に基づき、夏休みを定めているという。
この「学校管理規則」という決まりに、「夏休みは7月21日~8月24日まで」と書かれている。
ただし、この期間は曜日の関係で増えることがある。
今年は、夏休みに入る7月20日が土曜日、さらには8月25日が日曜日、子どもたちにとっては2日得だが、親は昼ご飯の準備などちょっと大変かもしれない。
仙台市の「学校管理規則」、これが『夏休み』のもとになっているという話だが、この「学校管理規則」にももとがあるという。
それが、国が定めた「学校教育法施行令」。
この中で「夏季休業は各自治体が定める」とある。
この「学校教育法施行令」は1953年(昭和28年)からあるそうだ。
となると、『夏休み』は1953年から始まったと思えるが、違うという。
さらに遡ると「学校教育法施行令」にも、もとがあるそうで、国が明治初期に「小学校教則綱領」というものを定めていて、この中で「小学校においては日曜日、夏季・冬季休業日及び大祭日、祝日等を除くほか授業をすべきもの」とあり、裏を返せば「夏休みは授業を休みなさい」と書いている。
夏休みは、『明治初期』にはあったということになる。
では、『夏休み』が存在する理由について、これも仙台市教育指導課・小田暁さんに聞くとー。
「法的な根拠はない」とのこと。
ただ、想像するにこの時期の暑さが学校の教育活動に適さないからだろう、ということだ。
ここ30年での気温変化を見ると夏の暑さはより厳しいものに。
昔は、夏休み期間中に『登校日』というものもあった。
教室にクーラーの整備は進んだとはいえ、登下校の暑さも考慮して今や仙台市内で『登校日』のある小中学校は〝0〟だという。
そんな中、逆に『登校日』を復活させた学校もある。
宮城・登米市の加賀野小学校だ。
4年ほど前から〝オンライン登校日〟を実施している。
学校に問い合わせたところ、児童に配布されているタブレットのウェブ会議システムを使い、健康状態の確認や近況報告などを30分程度行うそうだ。
児童からは「久々友達に会えて楽しかった」、教員からも「子供たちの元気な顔を見られて安心」と好評だという。
夏休み明けすぐに授業を再開するのではなく、助走をつけることで、児童の精神的ギャップを軽減し不登校の防止にも繋がると、その効果が期待されている。
暑さをしのぎつつ、みんなで集まる令和の『夏休み』のスタンダードとなっていくかもしれない。
そもそも、『夏休み』とはー?
「暑さをしのぎ、ホッと一息つこう」
出かける方は、水辺の事故など気を付けて、楽しい夏休みにして下さい。