【話し合いは平行線…】知事が進める〝4病院再編〟/仙台市長「評価のしようがない」
仙台市内で開かれたのは、宮城県の村井知事と県内14市長が行政課題を話し合う懇談会。
<柳瀬キャスター>
「郡仙台市長が今席に着きました。村井知事はすでに入っています。これから4病院再編構想を巡ってこの場でお互いの主張が相まみえます」
議題となったのは県が進める「4病院再編構想」。「東北労災病院」と「県立精神医療センター」を合築して富谷市に。「仙台赤十字病院」と「県立がんセンター」を名取市に統合する計画で、仙台市からは2つの病院がなくなる。
この構想について意見を求められた各市長は…
<佐藤 智 栗原市長>
「病院がつぶれてしまえば一番困るのは県民。病院を建て替えや運営するための再編であれば 賛成」
県の進め方に対する丁寧さを求める声が上がったものの、構想そのものについては、仙台市を除くほぼすべての市長が〝前に進めるべき″との見解を示した。
【仙台市長「県から説明ない。評価のしようがない」】
一方、「県からの情報提供の不足」などを理由に賛同できないとするのが仙台市。
<郡 仙台市長>
「私自身はこの問題について反対と申し上げたことはありません。県からの説明がなく評価のしようがないからです。仙台市内2つの病院が関わる構想です。私も市民に説明する必要があるが、それもできないままでいるわけです」
村井知事は、病院の地域の偏在を解消することなど4病院の狙いを改めて説明。ほかの市長も含む「全体での」議論を進める村井知事と、病院が「出ていく」自治体として県との個別の議論を求めた仙台市の郡市長。溝は埋まらないままだった。
<郡 市長>
「こういう議論をこういう場で・・・」
<村井 知事>
「こういう議論をこういう場でしないとダメだと思いますよ。こういう話は内々で話すのではなく、それこそ逃げていると思われると思いますよ」
<郡 市長>
「全市長が揃った中でまるで仙台市だけが何をごねているんだという捉え方をされるのは、はなはだ遺憾です」
【村井知事「4病院再編の考えに変わりなし」】
今回の懇談会を経て、村井知事は4病院再編の考えに変わりはないとしている。
<村井 知事>
「反対の肩を持つだけではだめだと(郡仙台市長に)お伝えしたかったんです。今後、急激に人口が減ってきて急性期の病床が余ってくる。その中で、仙台市内に急性期の病院を集めておくと淘汰されます。病院が少なくなってくるんです。このまま(この計画を)つぶして病院を残せばすべてがうまく行くかというと、必ず将来しっぺ返しが来ます」
公式の場で直接、4病院再編の議論をするのは2年ぶりとなったが、構想の中身の議論は深まることはなかった。