【次世代放射光施設「ナノテラス」】放射光を初めて取り出す「ファーストビーム」 来年4月からの本格稼働めざす(東北大学・青葉山キャンパス)
東北大学の青葉山キャンパスにある次世代放射光施設「ナノテラス」では、放射光を初めて取り出す「ファーストビーム」が行われた。
今後、調整を続け、来年4月からの本格稼働をめざす。
阿部美月記者リポート「私は、今ナノテラスの実験ホー ルに来ています、これから実験に使うための放射光が初めて計測される瞬間に立ち会います」
7日、「ナノテラス」では、加速器で光に近い速度まで加速した電子「放射光」を初めて取り出す「ファーストビーム」の瞬間が、関係者にお披露目された。
極めて明るい「放射光」は、研究対象の物質に当てると10億分の1メートルという「ナノ」の単位、例えば原子構造までも分析できるため、今までにない性質の素材や新薬の開発などに期待がかかっている。
青葉山キャンパスの「ナノテラス」は、国内にある放射光施設の100倍の明るさで世界トップクラスの解析能力を誇る。
本格的に稼働すれば、国や大学などの研究機関だけでなく、民間企業も製品開発のために設備を使えるようになる。
阿部美月記者リポート「こちらは、鉛や鉄板でできた実験ハッチと呼ばれるものです。この扉から入るものであれば、企業が普段の製品開発に使っている装置をそのまま持ち込んで、実験を行うことができます」
「ナノテラス」では、10本の「ビームライン」とよばれる「放射光」の取り出し口があり、きょうはそのうち2本の「ビームライン」で実験用に放射光が使用できることが確認された。
ナノテラスの整備運営団体・髙田昌樹理事長「この日本のイノベーションを支えて変えていくんだと、そういうある意味武者震いのようなものを感じております」
「ナノテラス」では、今後 光の強度をさらに強くするなどの調整を行い、来年4月からの本格稼働をめざす。