“長崎発いつかは世界の舞台へ” 人気カフェ展開する女性オーナー 海外目指す人材育成も《長崎》
世界を飛び回りながらふるさとでカフェを展開する女性オーナーです。
長崎から全国、そして世界へ。
その活動と “描く未来”を取材しました。
▼「洒落たカフェ」で焼きたてパンとコーヒーを
落ち着いた色合いの家具で統一された、モダンで開放的な空間。
店内には、焼きたてのパンの香ばしい香りが広がります。
長崎市松が枝町。
今年2月、おしゃれなホテルの1階ロビーにカフェ「JUNE COFFEE X FAV LUX長崎」が、オープンしました。
(利用客)
「高級感ある感じですごくいい雰囲気。来たいなとすごく思う店。パンも種類が豊富でおいしくて、コーヒーもおいしい」
提供するのはパンとスイーツ、そして自家焙煎の本格的なコーヒー。
ムースケーキやデニッシュ食パンを使った、フランスで定番のホットサンドイッチ=「クロックムッシュ」が人気です。
(冷川小粹アナウンサー)
「デニッシュの生地がサクサク。チーズはトロトロ、ベーコンはカリカリでとてもおいしい」
▼海外で経験を積み、夢を実現
オーナーの西原千草さん31歳。この店は 西原さんが展開するカフェの4号店です。
(JUNE COFFEEオーナー 西原 千草さん)
「クロックムッシュももちろんいいバターを使っているので、味わえばその差を感じられる」
長崎市で生まれ育った西原さん。
カフェを開く夢を持ち、長崎日大高校を卒業後、東京へ。
フランスの名門料理学校「ルコルドンブルー東京校」で学んだ後、ロンドンとパリに渡って、レストランのアシスタントを務めるなど2年間 修業しました。
(JUNE COFFEEオーナー 西原 千草さん)
「海外に行っていろんな店を調査したり勉強するためにいろいろ見て、それを記録に残したりして、自分が知らないうちに自分のものになっていた」
▼“ついでに立ち寄る”カフェじゃなく、“目的地” になるカフェを
長崎市北部の畦町。
海外から戻った西原さんは、2021年7月、最初の1号店を自身のふるさとに開きました。
市中心部から約30分。海が見える丘の上です。
(JUNE COFFEEオーナー 西原 千草さん)
「都会とか人通りが多いところに、店を出した方がいいんじゃないかという考えも少しはあったが、あえてそこを避けて人通りは少ないけど、わざわざ来てもらえる場所だったらお客さんにとってもいい思い出になるんじゃないかと思った。景色がすごくきれいなので、長崎生まれの長崎のブランドという意味を込めている」
1号店と同時に会社を設立、この3年間で長崎市内に3店舗、大阪にも店を開きました。
カフェのロゴは、1号店から見える海の景色からデザインしています。
(JUNE COFFEEオーナー 西原 千草さん)
「ジュンコーヒーのロゴがここから見えている岩をモチーフに作ってあるので、あの岩はこれから先、ジュンコーヒーのシンボルとして大事な風景なんじゃないか」
▼とことんこだわるのが流儀 完成に“2年”かけたパンも
1号店には、40種類ものパンが並びます。
そのすべてが西原さんのレシピで作られています。
看板商品のクロワッサンは、完成までに2年をかけていて大人気です。
(JUNE COFFEEオーナー 西原 千草さん)
「パリの味を再現したいというのと、もう少しカリッとした自分らしいクロワッサンにしたいと思って」
何かの “ついで” ではなく、“目的地” になるカフェを目指しています。
▼人材育成や海外でカフェを開きたい人のサポート事業も展開
パン作りや店づくりだけでなく、人材育成にも力を入れます。
西原さんに1号店のマネージャーを任されているのは、鳥山 蘭さん26歳。
細かい指導を受け、バリスタとしても成長を続けています。
今ではこんなラテアートも。
(JUNE COFFEEオーナー 西原 千草さん)
「いいですね。ははは」
(マネージャー 鳥山 蘭さん)
「(オーナーは)いてくれて頼りになる、心強い存在」
バイタリティあふれる西原さんは、これまでの経験を活かし、ある事業も始めました。
海外でカフェをオープンする人をサポートするコンサルティング事業です。
韓国やスペイン、ドバイなどで、店づくりやメニューの開発のほかスタッフの育成についても、海外を飛び回り、アドバイスしています。
(JUNE COFFEEオーナー 西原 千草さん)
「今回のカナダの場合はメープルシロップの会社だったが、その会社がカフェを開きたいとのことだったので、メープルシロップを使ってデザートを生み出すか、ドリンクの中でどんなふうにシロップを入れればおいしくなるのか、というのをメーンでやっている。結構それぞれのコンセプトに合わせてやるのは楽しいし、いい経験になる。けっこう上手くいってるかな」
▼「長崎」から全国、そして世界に描く夢
さらに、新たな挑戦も。
来月、1号店の目の前に “コーヒー豆の焙煎所” を開きます。
(JUNE COFFEEオーナー 西原 千草さん)
「今後店舗数が10店舗(増えて)、それ以上に増える予定。それに備えて」
店舗が増える JUNE COFFEE。
西原さんは長崎から全国に。そして世界にと夢を描いています。
(JUNE COFFEEオーナー 西原 千草さん)
「日本全国で長崎からきたブランドとして “あそこおいしいよ” ”あそこなら間違いない”と言われる店になりたい。地元の方には自慢の店になりたい。長崎から出発して、いつかは世界の舞台にいける、海外にも店が展開できるような会社にしたい」