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「タキビスト」“揺らめく炎”と“薪が燃える音” 火を囲む癒しの魅力を広める夫婦《長崎》

2025年1月3日 7:00
「タキビスト」“揺らめく炎”と“薪が燃える音” 火を囲む癒しの魅力を広める夫婦《長崎》

キャンプブームに伴って注目されている “たき火”。

その魅力を伝える “タキビスト” が活動しています。

◆ぼーっと眺めて癒される「たき火の炎」に魅せられて

揺らめく炎と、まきがゆっくりと燃える音。

癒しの空間を演出します。

(タキビスト 田中 亮太さん)
「不規則に発せられる音が、聴いていて心地がいい。炎もずっと一緒の形をしていないので、音と炎の見た目、香り、そういった要素が、ずっと見ていられるところ」

田中 亮太さん40歳。

身に着けているTシャツやエプロンには、たき火のプリント。

たき火を愛する人= “タキビスト” として活動しています。

普段は、妻の桃子さんと東彼杵町でカフェを経営しています。

2024年4月にオープン。

自家製の塩こうじ、甘酒など発酵調味料を使った料理、スイーツやオーガニックの豆をまきで焙煎したこだわりのコーヒーが楽しめます。

(タキビスト 田中 亮太さん)
「火力も上げれたりするので、しっかり焙煎できるし香りが抜群にいい」

そして、カフェの外には…

(タキビスト 田中 亮太さん)
「こちらがファイヤーピッド。いわゆる “たき火” をする場所」

手作りのたき火台を常設しています。

日中は火おこし体験ができるほか、夜は予約制で、県産食材をたき火で調理した料理を楽しめます。

(客)
「国道の裏に隠れ家的な場所があるとは思わなかった」

(客)
「みんながたき火を見つめて語り合う時間が癒しになるのでは」

(客)
「火を見ているだけで心が開かれていく感じがする。しゃべらなくてもいい」

大学卒業後、国立大学法人の職員として働いていた田中さん。

週末の休みを利用して「たき火を楽しめるイベント」を企画し、魅力を発信してきました。

40歳を機に “新しいことに挑戦したい” と今年3月に退職し、時津町から東彼杵町に移住しました。

(妻 桃子さん)
「たき火やコーヒーのことになると、すごいお客さまとも(話が)止まらないくらいしゃべる。本当に好きなんだろうと思って。
チャレンジするのが、(夫)らしい。おもしろい」

◆産地にこだわる良質の薪を… 燃える速度も香りも音もそれぞれ

町内には、まきの販売所があります。

(タキビスト 田中 亮太さん)
「どんだけたき火ができるのかと、わくわくする。大概燃やしても、全然なくならない」

まきを仕入れるために、隣町の川棚町に出向くこともあるそうです。

(タキビスト 田中 亮太さん)
「産地にこだわって、まきを焚くのもおもしろいかなと。近くに良いまき屋さんがあるというのは、タキビストとしては心強い」

(タキビスト 田中 亮太さん)
「こんな感じで、たき火の道具が入っている。これが火ばさみになったり、火吹き棒になったりする。まき割に使う鉈とか、火花を散らして火を付けたり(する道具)」

たき火の魅力に触れたのは子どものころ、家族や友人と行ったキャンプでした。

(タキビスト 田中 亮太さん)
「小枝を拾ってきて燃やして、わいわい言いながら楽しんだような思い出が残っている」

油分を多く含む “針葉樹” と、ゆっくりと燃える “広葉樹”。

2種類の木材を使います。

(タキビスト 田中 亮太さん)
「広葉樹。ちょっとずっしり重たい感じのやつ。これに最初に火を着けようと思っても、なかなか着かないので、じわじわ燃やす用のやつとして一つか二つか、あらかじめ置いておく。あとは燃えやすい軽い針葉樹の木。ヒノキとかスギとか。先に火を着けて、これが燃えている間に徐々に広葉樹のまきに火を移していって、長くたき火を楽しむ感じでいつもやっている」

(タキビスト 田中 亮太さん)
「細かい割ったまきはすぐに燃え尽きてしまうので、勢いよく燃えてる間に少し太めのまきをくべて、徐々に火を育てていくような感じ」

◆家族や仲間と火を囲む 古代からの癒し「焚き火」広めたい

魅力を多くの人に知ってもらうため、普及活動にも取り組んでいます。

(タキビスト 田中 亮太さん)
「風も比較的あまり吹いていないので、絶好のたき火日和」

この日開いたのは、親子参加型のイベント。

(タキビスト 田中 亮太さん)
「なるべく開いている感じの、乾燥したやつを拾ってください」

木の枝や松ぼっくりなど自然の着火剤を探したり、火おこしなどを体験しました。

(長崎市から参加)
「火をつけたところが楽しかった」

(長崎市から参加)
「初めて。機会があればこういうイベントに参加したい」

イベントを楽しむ中で、子どもたちに火の取り扱い方を教えています。

これからがたき火のベストシーズン。

(タキビスト 田中 亮太さん)
「たき火が一過性のブームではなくて文化になっていけばいい。“たき火愛” が多くの人に広がって、タキビストがいっぱい生まれていけばいい」

寒さが厳しくなる季節、揺らめく炎で体と心を温めませんか。

たき火は、今回紹介したカフェのほかに、火気の使用を前提としているキャンプ場やバーベキュー場で楽しむことができます。

土地の所有者の承諾がとれない場所や、周囲に住宅がある場所などでは「たき火はできない」ので、確認するようにしてください。 


【NIB news every.  2024年12月3日放送より】

最終更新日:2025年1月3日 7:00
    長崎国際テレビのニュース