さまざまな角度から楽んで「映画ポスター館」愛好家が60年かけ収集した自慢のコレクション《長崎》
世界中の映画ポスターが、すべての部屋に展示されているそうです。
愛好家の男性が約60年かけて集めた自慢のコレクション。
楽しむポイントも聞きました。
イタリアのポスター。日本の怪獣映画の名作が「ロダン」となっています。
(佐世保映画ポスター館 菅 正明さん)
「これは(日本では)“ラドン”。阿蘇の火口からラドンが出てくるけど、長崎県の鹿町炭鉱をロケに使っている。映画の中では、佐世保の三浦教会の上を飛んだり、西海橋を壊したりする」
抽象画で描かれているのは・・・
(佐世保映画ポスター館 菅 正明さん)
「黒澤 明監督の“羅生門”。(当時)チェコとかポーランドとか共産圏は、絵画では抽象画が許されなかったけど、ポスターでは結構緩かった」
佐世保市の住宅地に去年春に オープンした「佐世保映画ポスター館」。
館長は、映画愛好家の菅 正明さん(71)です。
膨大なコレクションを整理しようと、一軒家を購入し、ポスターなどを展示しています。
(佐世保映画ポスター館 菅 正明さん)
「住んでいる家で寝るところもなくなってきた。(目的は)自分が何を持っているかを確認するのが一番。ついでに見たい人がいたら、見に来られたらいかがですかと」
積み上げられたポスターやチラシは数万点。
中学生の頃から集めてきました。
(佐世保映画ポスター館 菅 正明さん)
「テレビで見たジョン・フォードの”荒野の決闘”。これおもしろいなと思って。それからだんだん、映画館に行くようになった」
コレクションは映画館で集めるほか、オークションで購入したり、海外の愛好家と交換することも。
(佐世保映画ポスター館 菅 正明さん)
「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー(の宣伝のぼり)。鈴までついている。(映画の中で)幽霊が出てきたとき鳴っていた。
これは韓国のチラシ。これはミッションインポッシブル、日本のよりひとサイズ大きいので立派」
企画展「レイモンド・チャンドラーとミッキー・スピレインの世界」は3月20日まで。今、展示しているのは、アメリカのハードボイルド作品に関連した60点です。
初心者でも わかるように楽しみ方を教えてもらいました。
(佐世保映画ポスター館 菅 正明さん)
「同じ映画のポスター。フランスの映画ポスター、これがイタリア、これがアメリカ。そしてこれがチェコのポスター。ポスターも国によって雰囲気が違う」
ここには、映画の一場面をカードにした “ロビーカード”も。
(佐世保映画ポスター館 菅 正明さん)
「劇場のロビーに貼ってあったからそう呼んでいるんだと思う。これにあるからといって、映画の中に出てくるとは限らない。スチール写真は別個に撮るから、映画にない場面も結構ロビーカードに使われている」
映画に魅せられて約60年。
菅さんは、今後も収集を続け整理しながら、展示を続けていきたい話します。
(佐世保映画ポスター館 菅 正明さん)
「4月は “世界の名探偵”で、チャーリー・チャンやエラリー・クイーンをしたい。見て、こんなものがあるんだと分かってもらえば一番いい」
「佐世保映画ポスター館」の入場は無料。
展示は、半年ごとにテーマを変えていくということで、さまざまな角度から映画を楽しむことができそうです。