「カスタマーハラスメント」への対策を拡充へ 全国的な社会問題化を受け県として対応 鳥取県
鳥取県は6月6日、顧客からの不当な行為や理不尽な要求などの迷惑行為「カスタマーハラスメント(カスハラ)」が社会問題化していることを受け、県として対策を拡充すると発表しました。8月をめどに実態調査を行い、国の法整備の動きを注視しながら対応するということです。
カスハラ対策の強化は、6日に開かれた定例会見で平井伸治知事が明らかにしました。鳥取県では、2004年に不当要求行為などへの「対応マニュアル」を作り、組織的な対応を推進しています。また、観光や小売など民間事業者や福祉施設などの現場でのカスハラ防止の対策や啓発の共有も進めてきました。
ただ近年、カスハラの深刻化が社会問題となっています。2023年の国のカスハラの実態調査によりますと、過去3年間に従業員からカスハラの相談を受けた企業は28%で、相談の多い業種は医療福祉(54%)、宿泊飲食(46%)などとなっています。カスハラの内容は「継続的・執拗な言動」が72%、「威圧的な言動」が52%、「精神的な攻撃(脅迫・暴言など)」が45%となっています。セクハラや居座り、長電話といった事例もありました。
こうした中、鳥取県は改めて対応を拡充することを決めました。県庁では、カスハラから職員を守るためのセミナーを開いたり、啓発活動を行ったりするということです。一方、県内の民間企業向けに弁護士や警察OBを活用し組織的な体制を構築するほか、悪質なカスハラにはき然とした対応をとるという指針を明確に示し、防止につなげたいということです。