アイガモロボットで有機農業 アイガモ農法をヒントに開発されたロボットが登場 農業の担い手不足解消に 鳥取県日南町
有機農業を新型ロボットで支えます。地域ぐるみで有機農業の産地づくりに取り組んでいる鳥取県日南町。その取り組みの一環として水稲づくりにアイガモロボットが登場しました。
アイガモが水田の雑草を食べるアイガモ農法。それをヒントに開発された新型アイガモロボットは、高さ20センチ、長さ80センチの大きさで水田を自由に動き回ります。
新型アイガモロボットお披露目の参加者
「田んぼの上の”ルンバ”(掃除ロボット)みたいな感じですね」
今回このアイガモロボットを取り入れることになった鳥取県日南町。日南町では、有機農業を拡大し、生産者の所得向上などを目指す国のオーガニックビレッジモデル事業を官民連携で推進するプロジェクトを展開中です。3年かけて実施されるこのプロジェクト。日南町は水稲とニンジンの栽培に去年から着手しています。5月7日は、その有機農業の強い味方となる新型アイガモロボットの導入に向けたお披露目が行われました。
このアイガモロボットは井関農機などが開発したもので、ロボットの頭にはソーラーパネルが搭載され太陽光発電で得られる電力で稼働します。代かき後の水田で、らせん状の部品を駆使して泥を巻き上げます。これによって除草剤を使わずに雑草が生えにくい環境をつくり、これまでかかっていた労力も大幅に削減できるということです。
地元の有機農業法人者
「除草が一番の問題でしたから、これが解決すれば生産者としては万歳です。アイガモロボットに期待していますし、これがどんどん普及することを願っています」
日南町まち未来創造課 荒金太郎さん
「もっと稲を抜いてしまうんじゃないかとか、スピードもゆっくりしているかと思いましたが、思った以上にスピードもあるし効果は高いと思います」
このアイガモロボットは、中山間地域向けの試作品でまだ市販されていませんが、1台25万円程度の価格設定を目指すということです。日南町では、アイガモロボットの活用を水田10ヘクタールまで広げたいとしています。スマート農業にもつながるこのアイガモロボット。農業の担い手不足解消に向けてもその成果が注目されそうです。