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市販薬の過剰摂取が全国的に問題「オーバードーズ」 鳥取県が対策強化 専門の相談窓口を設置

2024年2月21日 17:08
市販薬の過剰摂取が全国的に問題「オーバードーズ」 鳥取県が対策強化 専門の相談窓口を設置

鳥取県は、若者を中心に市販薬などの過剰摂取「オーバードーズ」が全国で問題になっていることを受け、対策を強化します。新たに相談窓口を設置するとともに、鳥取県の薬物乱用対策推進計画の改定に向け作業を進めています。薬の販売業者などにも協力を求めることができるよう、薬物の乱用防止条例の改正案を県議会に提案する方針です。

若者を中心に、一時的な高揚感や陶酔感を得ることを目的に、風邪薬やせき止めなどを常習的に過剰摂取するオーバードーズが問題となっています。

鳥取県 平井伸治 知事
「大都市のように多くの子どもたちが巻き込まれているということはないのですが、鳥取県で無いかというと実はそこそこ(事例が)あります」

鳥取県の平井伸治知事は、2月15日の記者会見で、鳥取県内でも人間関係の悩みなどから100錠以上の市販薬を服用し、救急搬送された事例が確認されていると明らかにしました。薬物乱用というと覚醒剤や麻薬、大麻といった違法薬物だけがイメージされがちですが、実は薬局やドラッグストアで購入できる市販薬も大量に服用すると、違法薬物と同様に心身に悪影響を与える可能性があるといいます。

鳥取県 平井伸治 知事
「オーバードーズの薬というのは、皆さんもお聞きになるような普通の市販の薬も含まれています。(違法)薬物のように売ってはいけないとか、そういう対策になかなかできない。問題は、薬を適正に使用しないということです。ですので、従来と違った手法の対策になるかと思います」

鳥取県ではオーバードーズ対策の強化を決め、2月15日に鳥取県庁の医療・保険課(0857-26-7203)に相談窓口を開設しました。また、鳥取市保健所(鳥取市)、倉吉保健所(倉吉市)、米子保健所(米子市)でも窓口を作り、相談を受け付けています。薬剤師などの専門職員が相談に応じ、心のケアなどが必要な場合には保健師など別の専門職員と協力して対応に当たります。

相談窓口の設置と並行して、若者への啓発活動の充実も図ります。鳥取県内の小、中学校、高校で年に1回程度実施している薬物乱用防止教室では、これまで違法薬物を念頭に指導を行ってきましたが、今後、オーバードーズの問題も取り上げ、危険性を伝えていく方針です。

一方、来年度に向け、薬物乱用に関する対策計画の改定、乱用防止条例の改正などの準備も進めています。対策推進計画では、オーバードーズについての教育・学習活動の推進や市販薬の販売業者に対する指導の徹底などを盛り込みます。条例の改正案には、「乱用などの恐れのある医薬品」の適正使用を定め、新たに販売業者に対し、薬の購入者に対し必要な確認を行うなど乱用防止への協力を求めていくということです。

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