「スマホとかSNSでは味わえない、ワクワク感を」 高校生が考案した「ブックフェア」 企画に込めた思いとは? 島根県松江市
「紙の本を手にとってほしい」。そんな思いを込めて島根県松江市の高校生が企画した「ブックフェア」が松江市の書店で9月3日から開かれています。
中本帆乃花 記者
「こちらの書店では松江市の高校生が選んだお勧めの本がずらり。その隣には表紙が隠れた本もあるんです」
9月3日から松江市の書店の一角に設けられているのが、松江農林高校の生徒が初めて企画した「ブックフェア」のコーナー。高校の図書館での貸し出し数をランキング形式にし、話題の小説やエッセイを紹介しているほか、
「感情がわからない怪物」
「記憶を消すのは悪?正義?」
など高校生が考えた、思わず目を留めてしまう一言が添えられた小説もあります。
松江農林高校3年 井山琴乃さん
「書かれているメッセージだけで選ぶので、買って家に帰って開くまでわからないというドキドキを味わってほしい」
今回、企画に携わったのは、本が好きな生徒や図書委員会に所属する5人。校内の図書館でも年々、こんな変化がー。
松江農林高校学校司書 宮本和樹先生
「学校と書店が非常に近くにあって、ただ生徒が書店に行っているかというと、そういうわけでもないです。図書館に来る生徒はいますが、図書館の本を借りたりとか、読んだりしている生徒は減っています」
店頭には約40種類の本を並べ、デジタルの本を読む人が増えている今だからこそ多くの人に紙の本に触れてもらいたいと思い、ポップも本のイメージに合ったデザインにするなど工夫を凝らしたといいます。実際に書店に来た人が気になっていたのはー。
書店に来た人
「こういう江戸川乱歩とか、今の人も読むんだなと思って。最近の子は本を読まないって聞いてたからこういうのはいいと思います。 私も見たことない本があるので」
「見ても題名はなかなか浮かんでこないんですけど、興味は沸きますよね。面白い取り組みだと思いますよ」
手作りのポップに目を引かれ、訪れた人の評判は上々のようです。
松江農林高校2年 佐々木百々子さん
「(いつも)借りる側だったので、準備するとかはやったことがないですし、実際自分が販売している気分になってお客さん(読者)のことを考えるようになったので、良い経験になったし、自分も楽しむことができました」
松江農林高校3年 井山琴乃さん
「スマホとかSNSでは味わえない、めくるときのワクワク感を味わってほしい」
このブックフェアは、9月3日から16日まで行われていて、平日の夕方には高校生が店頭に立ってPRも行う予定です。