わずか50分で250個が完売 水木しげるさんも愛した「ブドーパン」が2年ぶりに復活 廃業した元社長の思いに賛同した会社の協力などで実現 鳥取県
漫画家・水木しげるさんなど長年、多くの人に愛されたソウルフード「ブドーパン」。鳥取県境港市の製造元が廃業し、店頭から消えていましたが、3月15日に2年ぶりに復活しました。
3月15日、2年ぶりに復刻販売された「ブドーパン」。シナモンや干しブドウが入ったパンにラム酒を混ぜた自家製クリームを挟んだ菓子パンです。境港市の水木しげる記念館近くにある菓子メーカーのアンテナショップでは、ブドーパンの復活ということで、開店1時間半前から次々と人が訪れ、長い列ができていました。
そして、午前10時に販売スタート。250個のブドーパンが用意され、訪れた人は、次々と買い求めていました。
購入した地元市民
「幼稚園の給食で食べた。本当にうれしいです。きょうまた食べられることができて」
「また復活されるということで懐かしくてね。孫にちょっと食べさせてやろうと思って買いにきました」
このブドーパンは、境港市の製パン会社「伯雲軒」が70年以上にわたって製造販売。地元の漫画家・水木しげるさんや写真家・植田正治さんをはじめ多くの人に愛されてきましたが、後継者不足などを理由に2年前に廃業していました。しかし、「先代が手がけたブドーパンを残したい」という「伯雲軒」の元社長の思いに鳥取県米子市の菓子メーカーが賛同。ブドーパンの数量限定販売に名乗り出て、島根県安来市の製パン会社に製造を委託。2年ぶりにブドーパンを復活させました。
ブドーパン製造元の「伯雲軒」元社長 山本敏則さん
「伯雲軒としては残せなかったけど、ブドーパンという一つの商品の形で残せたということは本当に満足でうれしい限りです」
継承した八雲ことぶきフーズ 黒木克翁 さん
「ブドーパンが好きということでスタートしましたが、こういうふうな形で皆さんにパンを食べてもらえる状況になったことがうれしい。これから安定生産できるように頑張っていきたいです」
3月15日に用意された250個は、わずか50分で完売しました。
ブドーパンを食べた人
「おいしいです。どこかがまねしてもこの味にはならない」
「現代のこの口にも合うような感じでおいしいです」
味に加えてレトロなデザインも人気の復刻ブドーパン。菓子メーカーのアンテナショップがSNSで情報を提供しながら不定期で販売する予定です。