【これでいいのか除排雪】青森市の対応検証①出動指令はいつ出た?業者によって“質”にバラツキも
年末年始の大雪で津軽を中心に除排雪が追いつきませんでした。
予想以上の大雪だった、ダンプが足りない、様々な要因がありますがそもそも今のままの仕組みで良いのか?
再発を防ぐために県都・青森市の除排雪を検証します。
1回目のきょうは「出動指令や業者と結ぶ契約」について考えます。
青森市では年末年始の9日間135センチの雪が降りました。
除雪が足りず道路はデコボコに。
今月5日の積雪は年始としては最多の1メートル39センチに。
車の立ち往生が相次ぎ市民は憤りました。
★青森市民
「きのうからきょうで5、6台埋まっている 除雪来てないよね電話しても来ないしさ 生活道路を無視しているのでダメだ」
「対応が遅すぎる」
「(天気予報などで)前もってわかっている話じゃないか」
苦情が相次いだ除排雪、仕組みはどうなっているのでしょうか。
青森市の除排雪は幹線道路と生活道路の大きく2種類に分かれ、それぞれ別の契約で行われています。
生活道路は190の「工区」に分けて行われています。
市はエリアごとに業者を決め委託しています。
こちらは青森放送周辺の工区です。
黄色が幹線道路、白で示した細かい道が生活道路です。
作業はそれぞれ原則市が指令を出したあとに行われます。
生活道路では除雪と排雪の指令は同時に出る仕組みです。
年末年始市が最初に指令を出したのは27日でほぼ全域に業者が出動しました。
その後も元日までに67センチの雪が降りました。
しかし追加の指令はありませんでした。
2日になって市は仕事始めの6日までに除排雪を終えるよう指令を出しました。
しかし、その後も雪が降り実際に完了したのは14日でした。
委託業者は…
★スタンドアップ 中川和彦社長
「幹線道路があって補助幹線があって工区に行こうとしながら(大雪が続くと)また幹線に戻らないといけない。やっと工区(生活道路)に入れるかなと思ったらまた雪が降って…」
多くの委託業者は排雪に使うダンプカーの道幅を確保する必要があるため、作業は幹線道路を優先せざるを得ず、生活道路の作業は追いつかない状況となりました。
★志田内海 道路維持部 和島哲也課長
「(出動指令が出れば)普段は3日で終わりますけど(例年の)3倍くらいの積雪量になっていたので、現実問題として難しかった」
別の業者は…。
★西田組 柳谷知範さん
「(出動指令が出た)1月2日の除雪に出ていたんですが(工区内で)スタックしているトラックが10何台といまして除雪にならなかった 救出しているのがメイン」
市の指令は適切だったのか…
★菅原厚キャスター
「1日ないし2日早く大晦日ぐらいに指令を出しておけばと個人的には思いますが…」
★青森市 雪対策室 成田清室長
「あまり31日、1日は降雪が実際はなくて2日の降雪が30センチ以上の降雪があったことを踏まえると2日」
2日になるまで市の指令を待っていた業者もいました。
業者が出たくても自発的に、先んじて出動できないのが現状だといいます。
★西田組 柳谷知範さん
「ある程度業者の判断に委ねてもらえれば今年みたいにならなかった」
「指令が1日ずれると除雪の時間も長引く 普段2日3日で終わるのが4日5日かかったり」「今入った方が良いとか2日後でも大丈夫という判断は各業者であると思う」
★志田内海 道路維持部 和島哲也課長
「除雪業者主導になった方が多分一番スムーズに行くのかなと思いますし責任も生まれますし、ただそうなったときにすべての業者が果たしてしっかり対応できるのか」
一方、現在の委託契約では業者が「作業したかどうか」を報告する仕組みで、仕上がりに明確な基準がないのも課題です。
★スタンドアップ 中川和彦社長
「工区に関しては丸投げというか指令を出して、今日1日1晩でどこまで行きましたかどの路線をやりましたかの確認だけ、どのくらいやりましたではなくて入りましたか入りませんでしたかなので(道路の雪の)上をなでていこうが底から剥ごうが入りましたは入りましたなんですよ」
除排雪の質は業者に委ねられ、市民の不満につながっています。
今の委託契約は「作業をした」ということに報酬が支払われていますが、請負契約であれば「しっかりと除排雪をした」という成果に対し報酬を支払う形に変えることができます。
今後の契約について、西市長に聞きました。
★長澤瑠璃子記者
「契約等の見直しも必要なのでは」
★青森市 西市長
「様々な雪の状況に対する基準の見直し、それからもちろんその除排雪作業の契約の内容についての見直しといったことも一緒にやっていきたいと思います」
西市長は取材に対し改善に向け契約見直しを検討する考えを示しました。
こちらでもう一度説明します。
今の契約は業務をそのまま委託する契約で業者によって質にバラツキがあります。
そこで私たちは「請負契約」にするのが良いのではないかと考えました。
請負契約だと仕事の「完成」と引き換えに報酬を支払う形になるため、市民が求める除排雪に近づくのではないでしょうか。