×

【特集】被災者「やりきれない」大鰐町の大規模火災から1か月

2024年7月19日 15:09
【特集】被災者「やりきれない」大鰐町の大規模火災から1か月

大鰐町で28棟を焼いた火事からきょうで1か月です。もらい火で被災した人は自分たちの保険でまかなうことになるかもしれず「やりきれない」と話しています。

今月12日、火事の火元になった大鰐町の製材所では重機を使って材木の片づけ作業が行われていました。業者によりますと線路脇にある建物跡の解体が近いうちに始まるということです。
近所の人は現場一帯が急に寂しくなったと話します。

★近所の人
「晩になれば暗くなって 暗くなってくれば誰もいなくなって 今もしゃべっていたけどいつも仲良くしてどうのこうのって会話しているのさ なんか寂しいって今しゃべっていた どうしようもないね」

火事は先月19日大鰐町の中心部で発生しました。火元の製材所がドラム缶で、油をしみこませた木くずを燃やしており周囲に燃え広がったと見られています。町によりますと損焼したのは28棟でこのうち17棟が全焼です。

★被災者 吉川梨奈さん
「あのブルーシートがかかっている家 あそこうちで、あの日も家にいたんですけど 裏のほうだけ燃えてあとは消防隊が家に入って家の中から放水とかしていたのでびしょびしょでもう住めない状態になっちゃって」

製材所のとなりに住宅を兼ねた建築設計事務所がある吉川梨奈さんです。家に住めなくなったため町の紹介で近くの一軒家に引っ越しました。今後についてはどのようにしたら良いのか戸惑っていると言います。

★吉川梨奈さん
「今のところ火元のほうから何も連絡とかはなくて自分たちの保険で今どうにかしようというところで片づけはしているんですけど ちょっと何も話がこないのでちょっと先が見えないという感じです」

もらい火で被害に遭った場合、失火の原因が「重大な過失」である場合を除き、損害賠償請求はできないことになっていて、その場合所有者が自分の保険で対応することになることになります。吉川さんは「やりきれない」と話します。

★吉川梨奈さん
「やりきれない自分たちの保険もかけていたからまだましですけど だけどこれで何も補償してもらえないってなれば本当にもらい損、ただの一方的に被害者なので ちょっとあまりにもやりきれないなと毎日落ち込んじゃいます」

町は国に対して災害救助法の適用にならないか問い合わせましたが適用外だということです。自然災害ではないので基本的には当事者同士で対応して欲しいとしています。

    青森放送のニュース