殺人隠蔽事件の病院で一部の医師の勤務実態が“確認できず” 市が行政指導を検討・知事は問題を把握できなかった定期検査「改善すべき」と考え示す 青森県八戸市・みちのく記念病院
みちのく記念病院で起きた殺人隠蔽事件を巡る動きです。
臨時の立ち入り検査を続ける八戸市は県と調整し病院に改善を求める行政指導を検討しています。
★八戸市 熊谷雄一市長
「医師の勤務状況について病院の管理体制に不備があり、事実関係の詳細な確認にいたっていないことから、現在市として県と調整をしながら同病院に対して改善勧告による行政指導を検討しているところであります」
これは八戸市保健所が開いた会見のなかで八戸市の熊谷市長が明らかにしました。
殺人隠蔽事件を巡っては、病院を運営する医療法人の理事長、石山隆容疑者と弟で医師の哲容疑者がおととし3月病院の中で発生した殺人事件を隠そうとした犯人隠避の疑いで逮捕されています。
死亡診断書に書かれていた死因は「肺炎」と虚偽の内容でした。
八戸市保健所や県によりますと、これまで今月19日と26日みちのく記念病院に抜き打ちの立ち入り検査をした結果、常勤医師のうち一部の医師の勤務実態がはっきりしないことが判明したということです。
これまでの定期検査では、医師数は充足されていて書類上は問題なしとされていましたが、実際に出勤簿などを確認したところ確認がとれない医師が一部いるということです。
このため八戸市保健所は病院に対し行政指導にあたる「改善勧告」を検討しています。
また臨時の立ち入り検査で病室を別の用途に使っている疑いも浮上していています。
一方宮下知事はこれまで問題を把握できなかった市の定期検査について改善すべきという考えを示しました。
★宮下知事
「それは改善すべきなんでしょう 検査で見つからなかったことが今出てきた訳だから」
「検査は相手方の善意とか相手方の協力的な対応を基本としている訳です そういう環境にない人たち施設や病院に対しどういう検査をすべきか」
「私たちとして指導という部分で検査を強化しこれからやっていきたい」
捜査関係者によりますと、死亡診断書には当時認知症の疑いで入院していた医師の名前がありました。
またこの医師の名前が書かれた死亡診断書は200枚以上に上り、死因の7割が「肺炎」だったことがわかっています。
捜査当局は診断書の偽装が常態化していた可能性があるとみて調べを進めています。