「×」がいくつもついた時刻表。松山と松山沖の離島を結ぶ高速船の時刻表で、来月から当面半分以上の便が運休することが発表されました。急遽決まった“生活航路”の大幅減便に、不安の声があがっています。

けさ7時頃の高浜港です。長い行列の先に到着したのは…

杉本記者：
「朝一便の中島行きの高速船がいま高浜港を出発しました。この船の定員はおよそ100人 で、今朝の乗船率はおよそ8割、80人の方が乗船しています」

来月1日から一部の便で運休することが決まった中島汽船の高速船です。中島や怒和島などの6つの島と松山を結んでいて、高浜—中島間を、片道およそ30分で運航しています。

来月から運休する予定の、午前7時23分に高浜を出港する始発便には、けさも中島の職場や学校に向かう多くの乗客が乗り込んでいました。

松山から松山北高中島分校に勤務：
「松山北高校の中島分校に勤務していまして、別の路線を使っていくことになるのか、時間が全体的に遅くなっていくのかとか、いろんな可能性含めて考えていると思います」

来月以降、車を積むことができるフェリーのダイヤはそのままですが…中島の東側、睦月島や野忽那島を結ぶ「東線」では、上りと下りのあわせて10便が4便に。

西側の怒和島や津和地島、二神島を結ぶ「西線」では、5便から3便に減便します。

中島の住民：
「高校の生徒さんはフェリーで来るんで大丈夫なんですけど、結構松山から通ってらっしゃる 方多いんでその辺が一番大変。フェリーで来ると8時半ギリギリに着くんですよ。いま 高速船やと8時くらいに着くやつがあるんで、それがちょうどいいんですよね」

松山から中島のガソリンスタンドに通勤するこちらの男性。普段、8時半の始業に間に合うように高速船の始発便を利用していますが…

松山から通勤：
「やっぱりちょっとバタバタするというか、どうしても着くのが遅くなるんで…正直しんどいと言えばしんどいですね」

来月からはおよそ1時間かかるフェリーで出勤することになりそうです。

減便の主な理由は「船員不足」。中島汽船によると先月以降、船員の退職が相次ぎ、船の運航が困難になったため東線と西線を1隻の船で運航し、利用者が比較的少ない時間帯や代わりにフェリーを利用できる便の運休を決めました。

おとといから担当者が地区を巡回し、住民を対象に説明会を開いていますが…

中島で民宿を経営：
「決定したことをただ事後報告に来るだけで、この間の説明会も（住民は）相当怒ってました。島民の命を繋いだ、命に関わることもあるんですよ。そこが一番の問題点だし、非常に僕は困ると思いますよ」

減便の期間は未定で、中島汽船は「船員の補充に努めて、早期の通常運航を目指したい」とした上で「残った船員が安心して働けるよう処遇の改善に向けて努力する」とコメントしています。