リンゴ窒息事故から1年8か月…新居浜市で保育士対象の研修会 事故を繰り返さないためにできること
愛媛県新居浜市の保育園で給食のリンゴを食べた園児が重体となった事故から1年8か月。きょう新居浜市で、乳幼児の重大事故を防ぐ研修会が開かれました。まもなく迎える入園シーズン、事故を繰り返さないためにできることは。
保育士や幼稚園教諭らおよそ150人が参加した研修会。きっかけは1年8か月前、新居浜市の保育園で当時生後8か月の田村康至くんが給食で生のリンゴを食べた直後に意識不明の重体となった事故です。
康至くんは今も意識が戻らず、家族は24時間つきっきりで看護を続けています。
松山東雲短期大学 岡田恵准教授:
「事故が起こった時の対応については、誰かができるからではなく自分がやるんだという気持ちで、しっかりシミュレーション訓練を続けていただきたい」
研修会では、事故検証委員会で委員長を務めた松山東雲短期大学の岡田恵准教授が再発防止をテーマに講義。
「リストだけでこれは食べましたか?だけではなく、どんな状況で食べますか?お外に出たときはどうですか?どこで食べるんですか?やはり細かく(保護者に)聞き取りをしていただきたい」
事故を防ぐためには、子育て環境の変化や子ども一人一人の発達状況に合わせながら保育の内容をアップデートすることが必要と訴えました。
「家族の在り方が変化しているということを理解した上で、保育の内容を少し考えて、その内容を実践していくためには何が必要なのかということを今一度考えて保育内容を考えていただきたい」
今治市の保育士:
「誤嚥が最近ニュースでも取り上げられているので、より一層気をつけることを心がけたい」
新居浜市の保育士:
「子どもがどんな風に育ってきたか、どんな生活リズムがあるのかとかきちんと把握した上で、子どもたちが安心して楽しく生活できるようにしていきたい」
今治市の保育士:
「保育士ならびに給食の先生とかとも話し合って、ひとりひとりに合わせた関わりができるような保育に務めたい」
きょうは保育士たちに交じって現在も意識が戻らない康至くんの父・敦さんの姿も。
父・田村敦さん:
「リアルに的確な解説でみなさんに訴えられていたと感じた。うちの康至のようになる子がひとりでもいなくなるようにっていうのが一番の願いなので、そこをしっかり“子どもファースト”でやっていただけたら」
これから迎える入園シーズン。二度と同じことを繰り返さないために。
松山東雲短期大学 岡田恵准教授:
「子どもの育ちを“まずは急がせない”。ぜひ今までの子どもの状況をしっかりと園の先生たちにありのままを伝えて、これがちょっと苦手だとか、慣れるのに時間がかかるとか、こういうことをすると安心するとか。ちょっとした情報を先生に伝えていただきたい」
岡田准教授は、保育園と保護者が協力しあいながら子どもを育てていける関係性を構築することが必要だといいます。
岡田准教授:
「保育の仕事って専門性も高めていかなければいけないし、安心安全な保育園・保育者であってほしいと思うので、現場の先生方もさらに保育を高めていってほしい」