フラワーアレンジにも最適!「グニーユーカリ」特許技術で松山市が一大産地に【愛媛】
松山の旬です。23日は、オーストラリアが原産でアンティークな雰囲気が人気のあの植物。実は、松山市が特許を取得しているんです。
松山市の大街道にある、アンティークな雰囲気が漂う花屋「Deux」です。このお店の中に、今回の主役がいます。
藤川佳美店長:
「全然違う。本当に品質いいです」
その植物が、こちら!小さな緑の葉っぱがたくさん付いた「グニーユーカリ」です。
この、グニーユーカリを使ったフラワーアレンジを紹介する前に…
実は、松山は全国有数のグニ―ユーカリの産地。なぜ、松山市がグニーユーカリの一大産地となったのか。
向かったのは、松山市の農業指導センターです。
農業指導センター農業技師 山本敦洋さん:
「こちらはですねグニーユーカリの苗を育てている場所です」
ずらりと並んだグニーユーカリの苗!
ところで、ユーカリといえば、コアラが食べているユーカリを思い浮かべますが…
山本さん:
「オーストラリア原産のいわゆる皆さん連想する通りコアラの餌のユーカリなんですけども、その中でも観賞用。葉っぱが丸くて表面がちょっと白色というか銀色の表面のものがグニーユーカリ」
松山市がグニ―ユーカリの一大産地となった理由が…
山本さん:
「松山市で開発した挿し木の技術を使って増やしているものなんです」
挿し木技術です。グニーユーカリが愛媛で栽培されるようになったのは、今から34年前。温州みかんの価格が低迷し、農家の収入安定を図る救世主として目を付けたのがグニ―ユーカリでした。
松山市は、柑橘栽培をしながら、品質が良く、比較的簡単にグニ―ユーカリを増やす方法として挿し木の技術開発を進め、2006年に特許を取得しました。
山本さん:
「元々、ユーカリという植物は挿し木では増やせないとされている植物です。今まで携わった方々の努力の結晶だと思いますね」
2017年にはまつやま農林水産物ブランドに認定。今では、松山産グニ―ユーカリが東京の大田市場で出荷本数1位を誇っています。
JAえひめ中央 上田敏彦さん:
「ある程度挿し木ですることによって形質が揃ってる。外観が非常に良いものが出てますという評価はいただいています」
グニーユーカリは、育てやすさと管理のしやすさから年々栽培する農家が増えています。
ユーカリ農家1年目 重信さん:
「ここが私の園地です」
重信さんもその一人です。元々は米作りをしていましたが、体調を崩し、農家をやめようと考えていた時に出会ったのがグニーユーカリでした。
重信さん:
「550本位植えとるんですわ」
苗を植えてから1年で2m近くにまで成長するグニーユーカリ。重信さんは、先輩農家からアドバイスをもらいながら今年、初めての収穫を迎えます。
重信さん:
「出してみたいという気持ちの方が先みたいですね。楽しみですね。」
この小さくて丸みを帯びたシルバーグレーの葉が特徴のグニ―ユーカリ。最近では、結婚式などでも人気が高まっているそうです。
藤川さん:
「このグニーユーカリって細葉、小さい葉っぱなので、ちょっとナチュラルな雰囲気を出すのにとってもいい素材と思っております」
このグニーユーカリを使ってリースを作ってもらいました。リースには県内産のサツマ杉も使用し、グニーユーカリとの緑の濃淡を楽しみます。
藤川さん:
「自信をもって、愛媛の松山のブランドとして本当に良い花材だと思います」
独自の技術で全国有数の産地となった松山のグニーユーカリ。収穫は2024年3月頃まで行われます。