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ここに来たらなんでもある!創業130年 ちょっと変わったホームセンター店主の想い【高知】

2024年9月4日 18:57
ここに来たらなんでもある!創業130年 ちょっと変わったホームセンター店主の想い【高知】
高知南国市に、創業130年以上のホームセンターがあります。どこか懐かしい商品や一風変わった商品が並ぶ店には、店主のある想いがありました。

江戸時代に普及したという唐箕(とうみ)や昭和レトロなイメージの自在鉤(じざいかぎ)!
時代劇から飛び出してきたような道具が並んでいるのは…なんと、ホームセンター!
見慣れない商品が並ぶのには、店主のある想いがありました。

南国市の国道55号から少し南に入った場所にある「ホームセンターゆうきち」は一見、普通のホームセンターに見えますが…

■纐纈琴巴アナウンサー
「なんだこれ?」

実はこちらの店、いわゆる「ホームセンター」とは一味違う、ちょっと懐かしくて変わった商品を並べる「村のよろず屋」的存在なんです。商品の発注を担っているのが店主の溝渕泰介さん。まだまだ他にも変わった商品があるということで店の中を案内してもらいました。

■溝渕泰介さん
「これはカツオの藁焼きに使う『てっきゅう』。頼んで作ってもらった」

カツオ王国・高知らしい商品ですが、なんと注文の大半は県外からだといいます。

■溝渕さん
「関東の会社からベトナムに贈るから6本くれという発注があった」

さらに店内を回ると見慣れない商品がありました。
江戸時代から昭和の中ごろまで使われていた、風力によって穀物とごみを分ける器具『唐箕(とうみ)』。
今では、ほぼ資料館でしかみることのないレアな商品ですが、本来とは少し違った目的で使われることもあるそうです。

■溝渕さん
「コスモスの種とか分けるために使う人が多い。最近は大学の教授が買って行った」

ほかにも、スゲの葉で編んだ雨具・菅蓑(すげみの)やカーブミラーなど、目を引く商品がずらりと並びます。

この日朝一番に売れたという商品は、一見普通の手動の洗濯機ですが…

■溝渕さん
「ツガニの汁を絞るいうて買ってくれた。手軽に絞れるものはないかなと探しに来てくれた」

地域の人々の生活スタイルに合った商品を取りそろえている「ホームセンターゆうきち」。
それらをアピールするために最近はSNSにも力を入れているといいます。

■溝渕さん
「こてこての土佐弁。(投稿するのは)妻で、土佐弁監修は自分」

こってこての土佐弁が光るSNS!ローカル感満載のクイズを出題するなどユーモアたっぷりです。

斬新な投稿や商品を並べている「ホームセンターゆうきち」ですが、なんと創業は明治20年代。約130年もの間、変わらず地域の人々の暮らしを支えてきました。

■お客さん
「通って30年。スーパーだとどこに何があるかわからんけど、ここはすぐわかる」

かつて町々にあった金物屋や荒物屋のほとんどは姿を消し、同時に暮らしも姿を変えてきました。

■溝渕さん
「遠いところから探しに来てくれる。なくしちゃダメ。メーカーがつぶれたら自分たちで作っている」

昔ながらであっても手になじむ道具を求めている。そんなお客さんの要望に応えたいという溝渕さんの想いが、ほかとは一線を画す店を作っています。

■溝渕さん
「ずっとお店回ってきて、ここに来てあったという声を聞くのがやりがい。困りごとを解決する店でありたい」

「かゆいところに手が届く」地域のホームセンターは、これからも人々の暮らしをそっと、支えていきます。
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