相互関税第2弾発動 県内の酒造会社『売り上げに大ダメージになるのでは』と懸念【高知】

アメリカ・トランプ政権が打ち出した関税措置で9日から、日本に対し税率24パーセントの「相互関税」が課せられます。
世界経済に大きな波紋を広げる「トランプ関税」を高知県内の事業者はどのように受け止めているのでしょうか。
4月3日、アメリカのトランプ大統領は、世界各国に対する「相互関税」の導入を発表しました。「相互関税」とは、貿易の相手国と同じ水準の関税をかけるものです。日本に対する税率は、24パーセント。すでに基本税率10%が課せられ、9日から、上乗せ分が発動されました。
アメリカに多くの品目を輸出している日本にとって関税の影響は計り知れないものがあります。
県内の事業者にも「相互関税」の波紋が広がっています。土佐市の酒造会社「酔鯨酒造」は、1990年代からアメリカへの輸出に力を入れています。現地での和食文化の定着とともに販売量は年々上昇し、いまでは、アメリカでの売り上げが全体の10パーセントを占めています。上田正人社長は、関税による販売価格の値上げでアメリカでの消費が弱まるおそれを懸念しています。「やっぱり、現地での購入、販売額に出る影響は、まず一番大きいかなと思う。売り上げに大ダメージになるのではないかというところが懸念される」
原料となる酒米の価格上昇に日本酒業界が頭を悩ますなかで、追い打ちをかける「トランプ関税」のショック。
この状況を乗り越えるために、上田社長は、価格が上昇してもアメリカの消費者が購入してくれるように魅力のある日本酒を作り地道なPRを続けていくと強調します。「値段は、その間は上がるでしょうけど、”それを飛び越えて価値があるものだよ”ということをやっぱり伝え続けるしかないかなと思っている」
県やジェトロ高知がまとめた2023年の高知県の貿易調査では、アメリカへの輸出額は105億円。国・地域別でみると台湾に次いで2番目に大きく輸出額全体のうち、およそ13パーセントを占めています。
品目でみると、「金属製品」が76億4800万円、「紙製品」が10億7500万円、石灰やセメントなどの「化学窯業製品」が8億8600万円、「食料品」が4億8200万円となっています。
世界経済と日本の地域経済とのつながりを研究する高知大学の岩佐和幸教授は、日米の経済関係を大きく見直す必要があると指摘します。
「(トランプ氏は)ある意味、大衆を惹き付けるような、ポピュリズム的な政策をとってきた。自国の国益を優先する。それは同盟国であろうが関係なくやっている。そうした事がはっきりしたのかなと思う。つまり、アメリカは日本を助けてくれない。アメリカに振り回されないような、そうした地域経済、日本経済の再構築を進めていくことが大事になってくるかと思う」
また岩佐教授は、世界経済が大きな変化を見せる時ほど県内の経済基盤を強化し、原料の生産から加工・販売、消費のサイクルを活性化させる「内需」の重要性を強調します。
「外的な影響なり、ショックというものに対して、柔軟に対応できる経済行動は何かと言ったら、地域のなかに、内部循環的なつながりを作っていくこと。お酒の話でいくと、原料は最近、高知産のコメとか使ったりしてますよね。そうした形で、高知産のモノを、高知で加工して、それを地域で広めていくことって大事かなと思う。地域というのは、暮らしの基盤であり、生活の場。そうしたものと経済とは密接につながっているということを、やっぱり意識付けていく必要がある」
アメリカの追加関税措置で経営に影響を受ける県内の事業者に対し、四国銀行と高知銀行はそれぞれ相談窓口を設置し、資金繰りや返済などの相談に応じると発表しました。相談窓口は全店舗で受け付けるということです。
私たちの生活にどのような影響をもたらすのか計り知れないトランプ政権の「相互関税」。
高知の経済は、今後どのように進むべきなのかいま一度考え直す時期に来ています。
世界経済に大きな波紋を広げる「トランプ関税」を高知県内の事業者はどのように受け止めているのでしょうか。
4月3日、アメリカのトランプ大統領は、世界各国に対する「相互関税」の導入を発表しました。「相互関税」とは、貿易の相手国と同じ水準の関税をかけるものです。日本に対する税率は、24パーセント。すでに基本税率10%が課せられ、9日から、上乗せ分が発動されました。
アメリカに多くの品目を輸出している日本にとって関税の影響は計り知れないものがあります。
県内の事業者にも「相互関税」の波紋が広がっています。土佐市の酒造会社「酔鯨酒造」は、1990年代からアメリカへの輸出に力を入れています。現地での和食文化の定着とともに販売量は年々上昇し、いまでは、アメリカでの売り上げが全体の10パーセントを占めています。上田正人社長は、関税による販売価格の値上げでアメリカでの消費が弱まるおそれを懸念しています。「やっぱり、現地での購入、販売額に出る影響は、まず一番大きいかなと思う。売り上げに大ダメージになるのではないかというところが懸念される」
原料となる酒米の価格上昇に日本酒業界が頭を悩ますなかで、追い打ちをかける「トランプ関税」のショック。
この状況を乗り越えるために、上田社長は、価格が上昇してもアメリカの消費者が購入してくれるように魅力のある日本酒を作り地道なPRを続けていくと強調します。「値段は、その間は上がるでしょうけど、”それを飛び越えて価値があるものだよ”ということをやっぱり伝え続けるしかないかなと思っている」
県やジェトロ高知がまとめた2023年の高知県の貿易調査では、アメリカへの輸出額は105億円。国・地域別でみると台湾に次いで2番目に大きく輸出額全体のうち、およそ13パーセントを占めています。
品目でみると、「金属製品」が76億4800万円、「紙製品」が10億7500万円、石灰やセメントなどの「化学窯業製品」が8億8600万円、「食料品」が4億8200万円となっています。
世界経済と日本の地域経済とのつながりを研究する高知大学の岩佐和幸教授は、日米の経済関係を大きく見直す必要があると指摘します。
「(トランプ氏は)ある意味、大衆を惹き付けるような、ポピュリズム的な政策をとってきた。自国の国益を優先する。それは同盟国であろうが関係なくやっている。そうした事がはっきりしたのかなと思う。つまり、アメリカは日本を助けてくれない。アメリカに振り回されないような、そうした地域経済、日本経済の再構築を進めていくことが大事になってくるかと思う」
また岩佐教授は、世界経済が大きな変化を見せる時ほど県内の経済基盤を強化し、原料の生産から加工・販売、消費のサイクルを活性化させる「内需」の重要性を強調します。
「外的な影響なり、ショックというものに対して、柔軟に対応できる経済行動は何かと言ったら、地域のなかに、内部循環的なつながりを作っていくこと。お酒の話でいくと、原料は最近、高知産のコメとか使ったりしてますよね。そうした形で、高知産のモノを、高知で加工して、それを地域で広めていくことって大事かなと思う。地域というのは、暮らしの基盤であり、生活の場。そうしたものと経済とは密接につながっているということを、やっぱり意識付けていく必要がある」
アメリカの追加関税措置で経営に影響を受ける県内の事業者に対し、四国銀行と高知銀行はそれぞれ相談窓口を設置し、資金繰りや返済などの相談に応じると発表しました。相談窓口は全店舗で受け付けるということです。
私たちの生活にどのような影響をもたらすのか計り知れないトランプ政権の「相互関税」。
高知の経済は、今後どのように進むべきなのかいま一度考え直す時期に来ています。
最終更新日:2025年4月9日 9:48