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【なぜ?】「タクシーがつかまらない!」駅で30分待ちも …深刻化する“タクシー不足”のワケは? (every.しずおか特集)

2023年12月28日 13:34
【なぜ?】「タクシーがつかまらない!」駅で30分待ちも …深刻化する“タクシー不足”のワケは? (every.しずおか特集)

コロナ禍が明け、いつもの忘年会の光景が戻ってきた一方で、ある深刻な問題が…。街にタクシーがいないのです。「タクシーつかまらない!?」静岡県内各地で深刻化するタクシー不足のワケに迫りました。

年の瀬を迎え何かとせわしなくなる中、タクシー業界では一年で一番の書き入れ時を迎えています。週末、タクシー会社の配車センターではひっきりなしに電話が鳴っていました。

タクシー業界の“今”

(静鉄タクシー配車センター 渡辺 賢 主任)
「タクシー業界では繁忙期、一年の中で一番忙しい時期。当社としてはありがたいが、それに対して車の稼働台数が少ないものですから、お客様にお待たせして申し訳ない思いです」

タクシー会社にとっては嬉しい悲鳴ですが、喜んでばかりもいられません。午後5時を過ぎると…

(電話受付)
「ちょっと今お車が混みあってまして、すぐのお迎えは難しいんですけど」「車が大変込み合ってましてお時間が30分以上いただいてしまうんですけど」

次々と配車の依頼が入り “パンク状態” に!さらに深刻なのは夜です。

コロナ禍が明け、久々にみんなで忘年会を楽しむ光景が戻ってきました。しかし、以前と比べて、飲み会の帰りの足として欠かせない「タクシー」が大幅に不足しているのです。

(海ぼうず 藤嶋慎太郎 代表)
「お客さんにタクシー呼んでと言われることはある。週末だとタクシーを呼ぼうとしても電話に出なかったり、呼んでも30、40分かかったりというのは結構あります」

夜の街に行列…

12月15日金曜日、午後10時の静岡市。週末ということもあり、繁華街は多くの人でにぎわっていました。しかし、午後11時を過ぎたころには、以前は街中で多く見かけた“流し”のタクシーが、どこかへ消えていました。

さらに、バスや電車がなくなった午前0時のJR静岡駅ではタクシーを待つ人で長い行列ができていましたが…タクシーの姿はありません。午前0時を境に、タクシーがほとんどいなくなってしまいました。

(タクシーを待つ人)
「タクシーがいなくて困る、歩いて帰ろうかなと思うときある」「門限があるので(待ちが)長いと困ります。早く帰りたいですね」

夜にタクシーがいなくなるのは、静岡市だけではありません。午前0時の浜松駅前。タクシー乗り場には長い行列ができていました。

(タクシー利用者)
「タクシー減りましたよね、このあとつかまらないんじゃない?深夜0時から2時まではつかまらない」「タクシーアプリで4時間待ちもある、2時間待ちは当たり前。浜松駅で待つのが一番手っ取り早い」

なぜ、夜になるとタクシーがいなくなるのでしょうか。そこにはタクシー会社の切実な現実がありました。

タクシー会社の苦悩と改革

県内のタクシードライバーは、コロナ禍前の2018年には6200人あまりいました。しかし、新型コロナの拡大で利用客が大幅に減少。収入が減ったことなどから離職が相次ぎ、2022年には5000人を割り込むなど、4年間で1300人も少なくなってしまいました。

タクシー会社には車両があるにもかかわらず、ドライバーがいないため、その半数は稼働できていないのが現状です。

こうした状況から、こちらのタクシー会社では、これまでの常識を覆す、ある大改革を行いました。病院への送迎など、コンスタントに予約が入る昼間にドライバーを集中的に投入することにしたのです。

(静岡ひかりタクシー 泉 真 社長)
「とくに平日の午前中が週末の夜中より忙しい。午前中、需要がある時間帯を手厚くしたことによって、昼も夜も広く対応していたものを昼にシフトした実態があります」

それにより、本来12月の夜はタクシー会社にとって一番の稼ぎ時ではありますが、その時間帯にタクシーを稼働できないのです。

(静岡ひかりタクシー 泉 真 社長)
「平日の午前中をカバーするには朝8時に出勤するので、法律で労働時間の関係で終業が決まる。夜中、遅い時間帯はどうしても人がいなくなる」

こちらの会社では、平日の日中は40台ほど稼働していますが、夜になると、わずか5台ほどに。働き方改革の強まりに加え、ドライバー不足が追い打ちをかけるかたちで、夜間のタクシー不足が各地で深刻化しているのです。

観光地でも影響が…

一方、観光地・熱海では、この週末も、昼間から駅前のタクシー乗り場には行列が!

(観光客)
「旅行で結構使う、きょうも使った」「距離感とか時間とか分からないので、遠くに行くと(タクシーを)お願いしちゃう」

しかし、コロナ禍が明け、熱海のタクシーにもある異変が。

(熱海商工会議所 石井裕隆さん)
「昔は流しのタクシーも多かったり、バス停にタクシーが列をなして、すぐに乗れる状況だったが、ここ最近はゼロ台が続いている。車の台数もお客さまもいるが、運転手がいないと聞いている」

熱海ではタクシーを貸し切りで利用する人も多く、その予約から埋まっていくため、街中のちょっとした移動に利用できるタクシーがいなくなってしまうのです。

2024年問題の影響も

年末の忙しい時期を迎え、タクシー不足は深刻さを増しています。さらに、2024年にはドライバーの時間外労働時間を制限する、いわゆる「2024年問題」も控えていて、私たちがますますタクシーを利用しにくい状況が予想されます。

(静岡第一テレビ every.しずおか 2023年12月19日放送)

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