【専門家見解】袴田さん再審無罪判決で検察控訴断念と異例の検事総長談話に元東京地検特捜部副部長・若狭弁護士は?
58年前、静岡・旧清水市で一家4人が殺害された事件の再審=やり直し裁判で、袴田巌さんの無罪判決に対する検察の控訴断念、そして異例となる検事総長の談話発表。検察のこの決定に元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士は…。
(元東京地検特捜部副部長 若狭 勝 弁護士)
「控訴するかどうかというところで、結論が大事、ほかの事件においても、控訴をしないという結論をしても、控訴しなかったという事実であって、理由について公表しても、ほとんどそれが意味がない」
「控訴を断念した」という結論が大切だという若狭弁護士。一方で、発表の内容に疑問も。
(元東京地検特捜部副部長 若狭 勝 弁護士)
「静岡地裁の判決を踏まえて、『疑わしきは被告人の利益に』という大原則に立って控訴をしないという結論に達しましたと」「談話を発表するのがよかったのか」「一般の人が聞くと、ねつ造や無罪判決と言われているにもかかわらず、弁解するのは弁解に過ぎない、検察はきちんとした公平な立場に当たっていないと批判を受けてしまう恐れがある文章」
さらに、今後、国家賠償の動きについては…。
(元東京地検特捜部副部長 若狭 勝 弁護士)
「国家賠償が認められる可能性は高くない」「ただ、ねつ造していたことが明らかになれば、ねつ造していた場合、国家賠償は認められやすい」「ねつ造していたかどうかの争点が大きなポイントとなる」