【独自】川勝知事「三島に東アジア文化都市の継承センター」「詰めの段階」発言…国との打ち合わせ記録から見えた真相は?(静岡県)
川勝知事が「三島市に東アジア文化都市の発展的継承センターを置きたい」「詰めの段階」などと発言した問題をめぐり、Daiichi-TVは県と東海財務局との打ち合わせ内容が書かれた資料を入手しました。知事の発言は何が問題なのか、実態が見えてきました。
川勝知事は、10月の経済界との懇談会で「三島市に東アジア文化都市の発展的継承センターを置きたい。土地を物色している」と発言。さらに「国の土地を譲ってもらおうと詰めの段階に入っている」「買わないで定期借地で借りる」などと具体的な発言もしていました。これに対し、県議会の自民党会派は「事前に相談がなく、議会軽視ではないか」と反発していました。
(川勝知事)
「まだ一つのアイデアにすぎません、何も決まっていないのが現状」「県議会の皆さまとコミュニケーションを図る努力をしていくと答弁した考えは変わっておりません」
知事の答弁だけでは事態は収集せず、県議会では閉会中審査が開かれる事態に。委員からは「詰めに入っているという発言は虚偽説明なのではないか」など厳しい質問が相次ぎました。
(自民改革会議 河原崎 聖 県議)
「外部の人に対して、決まっていないことを言いふらした」「思いつきの段階で“詰め”と言ってしまう、現時点では“詰め”ではない。しっかりと訂正、謝罪する必要がある」
県の担当者は「知事の“詰めの段階”という発言は誤解を生む表現だった」「外部に出す段階ではなかった」と答弁しました。
県議会の総務委員会は22日、国有地を管理する東海財務局の職員を招致し、発言をめぐる経緯などを聞く予定です
こうした中、Daiichi-TVは東海財務局が県側に公開した打ち合わせ記録を入手しました。その記録によると、知事が「土地を物色している」と話したように、国有地をめぐる県と東海財務局との打ち合わせは3月・8月・9月の3回行われています。
打ち合わせでは主に、三島市にある検察庁跡地について話がされています。3月の打ち合わせでは、県側から庁舎の老朽化に伴う建て替えのため、三島駅周辺の国有地について問い合わせがありました。
また、8月の打ち合わせでは三島駅周辺の国有地について県側からは…「知事は現地視察でいたく気に入った様子で、最近各所で建て替えの検討しているという話をしている」との説明があり、この土地の購入や、定期借地として借りた場合のスケジュールなどについても確認していました。
東海財務局は「県内部での調整を進めて利用にあたっての方針を固めたうえで改めてご相談いただきたい」と返答しています。
9月の打ち合わせでも県側からは…「あくまで知事の構想段階であり、知事が検察庁跡地を気に入っていることから事務方として検討せざるを得ない状況」との説明があり、県が建物を整備し「スポーツ・文化などの関係団体などが入居することが考えられる」と伝えられましたが、ここでも東海財務局からは「県が方針を決定してくれないと我々は動けない」と伝えられています。
国有地をめぐる打ち合わせ記録からは、県が構想段階であることを繰り返し伝えていました。一方で、知事が発言した「東アジア文化都市の継承センター」という内容は一度も出ていませんでした。
この記録を踏まえて、改めて知事の発言について問題点を整理すると…
まず、議会側が指摘している『事前の相談がなく議会軽視ではない』という点については、打ち合わせ記録によると県は『定期借地を前提としても議会への説明などに時間を要するため』と話していて、県側も“議会に相談する前の段階”であることを認識していたみられ、県議会の一部からは「議会軽視とまでは言えないのでは」との声も上がっています。
次に『詰めの段階』という発言については、東海財務局も再三「県の方針を伝えくれないと動けない」と話しています。また、打ち合わせ記録では県側から「東アジア文化都市の継承センター」との話は一度も出ておらず、「詰めの段階」には程遠い
状況であることが分かりました。
22日の県議会総務委員会で、自民党会派は東海財務局から打ち合わせ内容を聞いた上で、県に対し知事の「詰めの段階」という発言について追及するとみられます。