【南海トラフ巨大地震】<後半>新しい被害想定発表 静岡県内はどうなる? ~ライフラインの復旧は?~
南海トラフ巨大地震発生後の県内避難者数は159万人。人口の半数近くに迫ります。道路は、地震の揺れや液状化現象により破壊され、津波の被害を受けたところでは漂流物で通行が出来なくなります。
南海トラフの想定では、高速道路は3日後に仮復旧し緊急自動車のみ通行できますが、一般車両が通れるのは1か月後。一般道は、幅5.5m未満の道路は5割以上通行できず、3日後に津波被害エリアに緊急車両ルートが7割でき、国道などは2週間程度で通れるようになりますが、交通規制が続きます。
新幹線や在来線も長期間機能しません。東日本大震災では、東北新幹線の電柱や架線、橋脚などおよそ1100か所が損傷し、全線復旧に49日かかりました。南海トラフでは、震度6弱以上のエリアで東海道新幹線は1週間経っても不通のまま。1か月以内で全線運転再開。在来線は1カ月で路線のおよそ50%が復旧する想定です。
ガソリンなどの燃料は、供給が不安定となり、ガソリンスタンドでは燃料切れが続出し、1か月後から供給不足の解消が始まります。電気については、被災直後県全体の9割にあたる160万軒が停電。停電が1割以下になるのは4日後。
都市ガスは、被災直後県全体の7割で供給が停止し、1週間後もおよそ5割で供給停止が続くのです。
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(津川祥吾アンカー)道路の復旧に時間がかかると、県外からの支援は想定しにくいのではないか?
(静岡大学 岩田孝仁特任教授)東日本大震災でも1週間は被災地に入れない状態だった。東日本は津波の被災が大半だったが、南海トラフ地震は、地震の揺れで物理的に道路などの交通網が途絶えてしまう。さらに津波や、山間地域では土砂災害が重なるので、支援に入るのが難しい。
(徳増ないるキャスター)水や食料品などの想定は?
(伊藤薫平キャスター)上水道の断水割合は、1週間たっても70%。下水道も3割近くが使用困難。食料品は、3日間で大幅に不足してくる。1週間経っても食料品工場や農作物産地が被災していて、供給ストップ。ガソリン不足で配送もできなくなる。そこで心配なのが、災害関連死。過酷な生活が影響して、地震から助かった後に亡くなる災害関連死が、全国で2万6000人から5万2000人に上るという数字が初めて出された。
(岩田特任教授)物資が途絶えることは以前から指摘されていたが、県民の備蓄の目標が1週間としてきたのに、そこまで到達していないのが現実。だから、“最低でも”1週間は家族が生活できるだけの物資の確保が必要。外からの供給もないので、地域での備えも必要。
(津川アンカー)1週間の備えは最低限必要として、災害関連死を減らすためには、避難所の環境を改善が必要と言われてきたが、なかなか改善されない。どうしたらいい?
(岩田特任教授)これまで避難所は、体育館など広い場所で、空調など居住性を高めようと考えられてきたが、限界がある。私が考えているのは、地域のコミュニティの中で使える施設を作っていかないと、簡単に解決しない。地域のコミュニティセンターなどを普段から使って、日常的に人々が交流して、災害時に避難の場所になる。そういう仕組みに変えていく必要があるのではないか。