「さみしい」イトーヨーカドーが北海道撤退 最大15店舗拡大も競争激化 変わるスーパー勢力図
(阿部記者)「午前10時です。お客さんが続々と中に入っていきます。イトーヨーカドー・アリオ札幌店、本日が最終日です」
13日で閉店となるイトーヨーカドー・アリオ札幌店では、一時入場制限がかかるほど多くの客が詰めかけました。
店内に置いてあるメッセージボードには、閉店を惜しむ声がびっしりと寄せられていました。
(札幌市民)「初めて一人暮らしをした時も、近くのスーパーはイトーヨーカドーだった。さみしいです」
(札幌市民)「ずっとあると思っていたので、なくなってしまうんだなと」
イトーヨーカドーは1970年代以降、次々と道内に出店しました。
オープンの時には大行列ができるなどの人気ぶりで、道内では最大15店舗まで拡大。
総合スーパーとして道民の生活に深く根差してきました。
しかし、道内スーパーの競争激化により、2000年代から徐々に閉店が進んでいきました。
そして2024年、セブン&アイホールディングスは、傘下のイトーヨーカドーを首都圏に集中させるために、道内に残っている全6店舗を閉店する方針を発表しました。
13日のアリオ札幌店の閉店をもって、イトーヨーカドーは道内から完全撤退となります。
今後激しい変化が予想されるのが、道内のスーパー勢力図です。
2024年に閉店したイトーヨーカドー屯田店の跡地にはロピアが道内初上陸し、オープン時には大盛況となるなど話題を呼びました。
13日に閉店するアリオ札幌店の後継はというとー
チラシには「ダイイチにお任せください!」の文字がありました。
帯広に本社を置くスーパー・ダイイチが引き継ぎ、さらなる店舗拡大を狙います。
現在の道内スーパーの売上高をみると、イオン北海道・コープさっぽろ・アークスの三社が競り合っています。
ここにロピア・ダイイチが勢いづく中、道内のスーパーはどう変わっていくのでしょうか。
(帝国データバンク 柳澤康行さん)「大手3社グループは道内のスーパーの売り上げ高の8割近くを占めていると推察される。(イトーヨーカドーの撤退は)転機といえば転機ですね。新規で店舗参入する業者にとっても、同じエリアの中で消費者の気持ちを掴んでいくかが生き残りをかけた1つのポイントになる。(顧客の獲得競争は)ますます激しさを増していくことが予想されるかと思います」
アリオ札幌ではショッピングモールの営業は続くものの、スーパー・イトーヨーカドーはこのあと午後7時に閉店となり、道内で親しまれてきた“ヨーカドー”は半世紀の歴史に幕を下ろします。