利用が進まないマイナ保険証 暗証番号なし導入も…健康保険証の廃止撤回を訴え 北海道
15日から暗証番号が不要の新しいマイナンバーカードの導入がはじまります。
これは保険証の機能にほぼ特化したマイナカードです。
岸田総理は現行の保険証を廃止する方針に変わりがないことを表明していますが、“マイナ保険証”普及の現状はー
札幌市のマイナンバーカードセンターには、14日も受け付けをする市民の姿がー
15日からは新しいマイナンバーカードの導入もはじまります。
(札幌市スマートシティ推進部 下澗聡さん)「暗証番号の設定を不要としたマイナンバーカードということになります」
新しいマイナカードは、高齢者から「設定が難しい」などの声を受け、導入されることとなりました。
暗証番号不要のカードに変更した場合は、顔認証や目視で本人確認をします。
ほぼ保険証の機能に特化したカードで、暗証番号が求められるコンビニでの証明書の交付などはできなくなります。
(札幌市スマートシティ推進部 下澗聡さん)「設定することでお使いいただけなくなるサービスも結構あるかなと考えていますので、そういったことも踏まえて検討してほしい」
(岸田首相)「法令に基づき、予定通り現行の健康保険証の発行を来年秋に終了し、マイナ保険証を基本とする仕組みに移行することとします」
他人の情報が自分のマイナンバーカードに紐づけられるなどトラブルが相次ぐなか、政府が進めていた“総点検”の結果を受け、改めて現行の健康保険証廃止を表明した岸田総理。
暗証番号不要のマイナカードは「実質、保険証と同じ」という声も聞かれるなか…
実際、札幌市内の病院ではどのような使われ方をしているのでしょうか。
(受付)「診察券か保険証をお願いします」
来院者が受付に提出するのは現行の保険証ばかり。
取材中に訪れた15人の来院者のうち、マイナ保険証を利用している人は1人もいませんでした。
(クリニックインザモーニング 岡田純一院長)「導入当初よりは利用者は増えてきていますが、現時点でも2割程度、少ない日はもっと少ないという感じです」
(来院者)「平日仕事をしているので手続きが煩雑だということで(マイナ保険証を)つくっていないです」
(来院者)「もっと詳しく説明するかトラブルをなくして万全なものにしてから国民にお願いするとかそういうことが必要じゃないかと」
道内の医療機関でつくる団体も、従来の健康保険証をなくさないでほしいと訴えています。
(北海道民主医療機関連合会)「患者の手続きのこととかマイナ保険証の操作の混乱を考えると、やっぱり紙の保険証は残してほしい。廃止については絶対にやめてもらいたい」
現在マイナ保険証の利用率はおよそ4.5%。
なかなか進まないマイナ保険証の利用ですが、暗証番号不要の新しいマイナカードの導入でも、市民の理解を大きく深めるまでには至らないといえそうです。