観光地からは困惑の声…ニセコの宿泊税 二重の負担も
北海道ニセコ町が導入を検討している「宿泊税」に関する条例案を町議会に提出しました。
実はこの宿泊税、道も導入を目指しています。
道とニセコ町、それぞれの分を合わせると、利用客に二重の負担がかかることになり、観光地からは困惑の声が上がっています。
雪景色が広がるニセコエリア。
スキー場は多くの外国人観光客で賑わっています。
こうしたなか、ニセコ町では13日、宿泊客から新たに徴収する「宿泊税」について、関連する条例案が議会に提出されました。
来年11月の導入を目指しています。
宿泊料金に応じて税額が変わる「段階的定額制」とする方針で、料金が2万円未満で200円、10万円以上で2000円の税を宿泊客が負担する仕組みです。
(ニセコ町 片山健也町長)「域内の交通が本当に脆弱。そこをしっかり手当てする貴重な財源にしたいと思っています」
ことしは特に関心の高かった「税」の話題。
宿泊税を巡っては、札幌市など道内10以上の市町村が導入を検討していますが、これとは別に、道でも100円から500円の範囲で導入を目指しています。
市町村が課すものに加えて「道税」として徴収するため、宿泊客にとっては二重の負担となります。
(記者)「宿泊税を知っていますか?」
(オーストラリアから来た人)「わからない、初めて聞いたよ」
(オーストラリアから来た人)「ニセコがより良くなるなら宿泊税を徴収しても良いと思う」
すでに宿泊税を導入しているのが、同じニセコエリアの倶知安町です。
(宮崎記者)「多くのスキーヤー、車が行き交う比羅夫坂ですが、車道も歩道もロードヒーティングとなっていて、安全に通行することができます」
町内のロードヒーティングのほか、無料バスの運行費用を賄っているのも宿泊税です。
昨年度の税収はおよそ2億4000万円で、貴重な財源となっています。
しかし課題もー
倶知安町では宿泊料金の2%を徴収する「定率制」を採用しています。
一方で、道が検討しているのは「段階的定額制」。
事業者は2つの方式で税を扱わなくてはなりません。
(ペンションアリス 早川貴士代表)「道の定額制と倶知安町の定率制になると、事業者は新たなシステム改修が発生する恐れがあるので、非常に不安を覚えています。しっかりとヒアリングをして対応してほしい」
こうした声に鈴木知事はー
(鈴木知事)「宿泊客の負担や事務負担を考慮した税率設定としてほしいなど、さまざまなご意見をいただいている。北海道全体として望ましい税のあり方については、引き続き検討を進めていきたいと考えています」
道は来月にも税収の使い道などを明らかにする方針ですが、市町村からの理解を得られるかが焦点となります。