ファイターズ移転の現実 巨額の赤字は解消できる?「負の遺産」「もったいない」の声も 札幌ドーム

札幌ドームは6月21日、ファイターズの本拠地移転後、初めてとなる昨年度の決算について、想定の2倍以上となる6億5100万円の赤字と報告しました。
移転の影響が浮き彫りになった札幌ドームは今後、にぎわいを取り戻すことはできるのでしょうか。
(急式キャスター)「5大ドームの1つに数えられる札幌ドームです。この堂々とした姿は変わりませんが、ファイターズが移転したことによって中身は大きく変わりました」
(札幌ドーム 山川広行社長)「当期純損失が6億5千万円の大幅な減収減益になりました。長らく札幌ドームを本拠地球場として利用いただいていた北海道日本ハムファイターズが、2023年春に新球場に移転したことにともない、大きな経営環境の変化が現実のものとなりました」
札幌ドームは6月21日、ファイターズの本拠地移転後、初めてとなる昨年度の決算を報告しました。
最終的な純損益は過去最低となる6億5100万円の赤字。
当初想定していた2倍以上の額で、移転の影響が浮き彫りになりました。
その要因は…
「来場者の減少」
23年度のイベント数は前の年より26日少ない98日で、来場者数も40.7%減少しました。
これまでファイターズの試合が利用の半数近くを占めていたからです。
(札幌ドーム 山川広行社長)「ファイターズがいる時といない時で一番違うのは広告。平日のナイターがなくなったことで2億円以上違うのが現実です」
「新モードの利用低調」
ファイターズが抜けた穴を埋めるため、大きな柱として打ち出していたのが、コンサートの新モードです。
会場を大きなカーテンで仕切り、2万人規模のコンサートでも利用してもらおうと、10億円をかけて改修しました。
しかし、現在のところ開催はわずか3回にとどまっています。
「ネーミングライツ契約なし」
さらに、新たな収入を確保するため販売した「ネーミングライツ」も、年間2億5千万以上を希望していますが、いまだ契約には至っていません。
(札幌ドーム 山川広行社長)「実際にやろうとしたことが思うように進まなかったというのは実際の問題です。これが見通しが甘かったというのは抵抗がある。難しさを持ちながら挑んでいった」