「見通し甘く、計画性がない」過去最大の赤字 ファイターズ移転の現実 札幌ドーム
札幌ドームは21日に株主総会を開き、昨年度の最終的な損益が、当初想定の2倍以上となる6億5100万円の赤字と報告しました。
「新モード」の利用が低調なことなどが主な理由だということです。
(札幌ドーム 山川広行社長)「長らく札幌ドームを本拠地球場として利用いただいていた北海道日本ハムファイターズが、2023年春に新球場に移転したことに伴い、大きな経営環境の変化が現実のものとなりました」
札幌ドームは株主総会を開き、昨年度1年間の決算の損益が6億5100万円の赤字になったと報告しました。
このうち、固定資産の一部を札幌市へ寄付などしたため、実質的な運営赤字はおよそ4億5000万円ということです。
総会では議題について株主からの異議はなかったということです。
当初の想定から損失が上回った理由について、中規模なコンサートに対応した「新モード」の利用が低調だったことや、広告収入源となるネーミングライツの契約が締結されていないためとしています。
(札幌ドーム 山川広行社長)「平日ナイターがなくなったことで(広告収入が)2億円以上違うのが現実なんです。平日のイベントをつくっていかなければいけないということで、いろいろなところに協力いただいてそこまでもっていきたい」
今年度のイベント実施数は123日と、昨年度に比べて25日増加する見込みです。
札幌ドームは今後「新モード」の利用数が増加する予定であることなどから、今年度は黒字を見込んでいるということです。
過去5年の札幌ドームの純利益です。
当初昨年度の損益を2億9400万円の赤字と想定していましたが、大幅に上まわり6億5100万円と過去最大の赤字となりました。
ファイターズ移転に伴う利用日数の減少などが数字に現れた形となります。
ネーミングライツの販売は、年間2億5000万円以上を希望していますが応募はないということです。
黒い幕で客席を仕切り中規模コンサートに対応した「新モード」。
10億円をかけて改修を行いましたが利用は低調で、現在のところ実施は3回にとどまっています。
(札幌市60代男性)「将来的な見通しが甘く、計画性がない」
(札幌市20代男性)「赤字であり続けるのであれば、無くてもいいのでは?」
(釧路市60代男性)「定期的に使ってもらえる工夫をしてほしい」
市民などからは厳しい意見が寄せられました。