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物価高…背景を探ると見えてくる「ニッポンの賃金」構造を変えなければ…変えるのはどの候補者?

2024年10月17日 16:35
物価高…背景を探ると見えてくる「ニッポンの賃金」構造を変えなければ…変えるのはどの候補者?
今回の衆議院選挙では食品などの値上げが続くなか、「経済対策」が大きな争点となっています。

消費者や事業者は何を求めているのでしょうか。

札幌市北区のスーパーです。

10月は主要メーカーが、年内で最多となるおよそ2900品目を値上げし、店頭価格にもその影響がでました。

(マルコストアー 山川悟史社長)「納豆が1パックあたり10円価格があがりました。税込みで95円から105円になりました」

他にもこのスーパーでは、今月から板チョコレートを11円値上げしました。

1枚150円を超えています。

メーカーの値上げに対して、企業努力で店頭価格を据え置く商品も多いということですが、店側も限界を感じています。

(マルコストアー 山川悟史社長)「お客さんが手に取れる価格に抑えたいという気持ちがあるので、利益を縮めてでも販売価格を抑えたりしているので、厳しいところはありますね」

相次ぐ値上げの要因の一つになっているのが「輸送費の上昇」です。

(シズナイロゴス 伊藤功一郎社長)「(燃料費の)昨年と一昨年対比を出しているのですが、一昨年対比でいうと20パーセント弱くらい、17パーセントということで大変上昇していることは確かです」

この会社では、2022年の上半期はおよそ4800万円だった燃料代が、2024年はおよそ5700万円に。

1000万円近く値上がりしています。

さらにー

(シズナイロゴス 伊藤功一郎社長)「人件費も上げざるを得ない状態。車両を購入する際の費用も上がっていますので、物価高ってところは経営に直撃するところなので、そこはしんどい。補助金・助成金のたぐいはいろいろつけていただいたほうがありがたい。あとは実態に伴った形でやっていただければ」

10月に最低賃金の引き上げが実施され、北海道でも最低賃金が1010円と1000円を突破しました。

2020年と比べて149円上がっています。

そして、パート従業員を抱えるスーパーでは制度の見直しを訴える声もー

扶養控除の上限いわゆる「103万円の壁」があるため、1人あたりの働ける時間が短くなるといいます。

(マルコストアー 山川悟史社長)「人手不足になると今働いている人に就業時間を長くするようにお願いしなくてはいけない部分も出てくるんですけど、お願いしたくても扶養控除の上限があるのでできないという部分があるので、お店としては一番厳しい」

そして市民にとっては、給与から物価上昇分を差し引いた実質賃金が2022年からマイナスが続いていて、物価高などで増える支出に賃上げが追い付いていない現状があります。

(40代女性)「賃金が上がっても物価が上がっていたら変わらない感じなので、その辺は変わっていってほしいなと思う」

(80代女性)「本当に値上がりしています。大変です。欲張りはしないけど国民年金がもう少し上がってくれたら助かると思います」

北大の山崎教授は、本質的な構造改革が必要だと指摘します。

(北海道大公共政策大学院院長 山崎幹根教授)「日本経済の構造全体を中期的に変えていかなければ問題の本質的な解決には至らない。物価の上昇に耐えられるだけの経済成長をどれだけ具体的に展望していくことができるのか、そのための政策をそれぞれの政党がどうやってやっていくのかというところが注目」

実感なき好景気からどのように現状を変えるのか、各候補が訴える政策の違いをよく見極め一票を投じることが大切です。
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