【6回目裁判詳報①】「朝刊見て娘が関わっていると確信。足元から世界が崩れ落ちる感覚」母証言
札幌・すすきののホテルで2023年7月、頭部のない男性(当時62)の遺体が見つかった事件で、逮捕・起訴された親子3人のうち、父親の6回目の裁判がきょう(2025年1月30日)札幌地裁で開かれました。
殺人ほう助や死体損壊ほう助などの罪に問われているのは、田村修被告(61)です。
起訴状によりますと、修被告は2023年、のこぎりやキャリーケースなどを購入し、娘の瑠奈被告に提供。
瑠奈被告を事件当日に車で送迎したほか、瑠奈被告が殺害し、自宅に持ち帰った男性の頭部を損壊する様子をビデオで撮影するなどした罪に問われています。
6回目の裁判は、弁護側から母親の浩子被告への証人尋問が行われました。
◇弁護側の証人尋問
◆娘の瑠奈被告が男性の頭部を持ち帰ってきたとき
2023年7月2日午前3時に 瑠奈被告が帰宅した。「無事帰ってきてよかったな」と思った。
その後、浩子被告が起きた後にいつものように洗面所に行くと、浴室にいつもおいていない衣装ケースのようなものが見えた。その中に黒っぽいごみ袋のようなものが入っていて、周りに液体があった。
Q.確認はしましたか?
A.触ったり近づいたりしなかったので、娘が何かを置いたのだろうと思った。
Q.どうして近づかなかったのか?
A.娘の物を触らないという習慣で生活をしていたので、あえて近づかなかった。
Q.午後3~4時ぐらいに瑠奈被告が起きた?
A.はい。瑠奈から「頭を持って帰ってきた」と言われた。どういうことだろうと思った。
Qその時どう思ったのか?
A.変なことを言ってるなと思いました。(言葉を詰まらせて)すみません。どういう言葉を使っていたか思い出せないが「従業員の方が血を見て驚くといけないから綺麗にしてきた」と言っていた。
Q.瑠奈被告の様子は?
A.変わらない様子だった。
Q.その話を聞いて、男性を殺したとは考えませんでしたか?
A.その時は考えていませんでした。
Q.瑠奈被告が殺害をしたことを確信したのはいつ?
A.翌日の7月3日に北海道新聞の朝刊で初めて、すすきので事件があって男性の遺体があったなどの記事が出ていて、もしかしてこれに関連しているのかと思いました。
Q.それについて瑠奈被告には聞きました?
A.瑠奈が起きてきたときに、新聞にこんなの出ているけどと見せたら、「それを取っておいて」と言われました。これに関連しているんだと思って、衝撃を受けました。娘が起こしたと確信というか、関わっているんだと思いました。足元から世界が崩れ落ちる感覚でした。
Q.修被告には伝えた?
A.「娘が誰かを殺したかもしれないと文字に打つのも怖かった」こんなにニュースがたくさんあるから、修さんは知っているだろうという感覚だった。
Q.7月3日以降、頭部を見たことは?
A.何日か後に見ました。
Q.何日ぐらい?
A.撮影を頼まれることが7日にあったと思いますが、それより前です。
Q.頭部を見たときの状況は?
A.「ちょっと来てみて」と言われて浴室に行くと、浴室の床の上に横になったような状態の頭部を見ました。
Q.どのような気持ちだったか?
A.地獄がここにあるというような感覚でした。あまりに異常な光景で、娘に合わせるように動揺していないようにふるまって適当に「すごいね」など言葉を返したと思います。
Q.浴室にケースが置かれていると気づいてから頭部を見せられるまでに浴室は使ってなかったのか?
A.シャワーなどを使いたかったが、娘の物が置いてあったので、水しぶきが飛ぶと思い、近所の銭湯のようなものを利用していました。見せられた後「地獄は死んでから行くんじゃなくて今ここにあるよね」と修さんと会話した。
(詳報②に続きます)