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【6回目裁判詳報④最終】頭部を持ち帰った娘…なぜ修被告に確認や連絡せず?追及繰り返す検察

2025年1月31日 13:49
【6回目裁判詳報④最終】頭部を持ち帰った娘…なぜ修被告に確認や連絡せず?追及繰り返す検察

札幌・すすきののホテルで2023年7月、頭部のない男性(当時62)の遺体が見つかった事件で、逮捕・起訴された親子3人のうち、父親の6回目の裁判が2025年1月30日に札幌地裁で開かれました。

殺人ほう助や死体遺棄ほう助などの罪の問われているのは、田村修被告(61)です。

起訴状によりますと、修被告は2023年、犯行に使われたのこぎりやキャリーケースなどを購入し、娘の瑠奈被告(30)に提供。

瑠奈被告を事件当日に車で送迎したほか、瑠奈被告が殺害し、自宅に持ち帰った男性の頭部を損壊する様子をビデオで撮影するなどした罪に問われています。

修被告は初公判で、「娘の犯行を知ったのは事件があった後」などと起訴内容を否認し、無罪を主張しています。

6回目の裁判では、午後から母親の浩子被告(62)に対する検察の証人尋問が行われました。

◇事件後(2023年7月2日以降)のことについて(詳報③から続きます)

Q. 瑠奈は浩子被告に「頭を持って帰ってきた」と言ったのか?
A. いきなりではなく、何か会話をしているなかで言ったのだと思います

Q. 瑠奈の「従業員の方が血を見て驚くといけないから綺麗にしてきた」はどのような意味だと思ったか?
A. 言葉通りに受け取りましたけど、そのときは何を言っているのだろう、変なことを言っているなという感覚でした

Q. 瑠奈に確認はしなかったのか?
A. そのときは確認していません

Q. 確認して安心したかったのではないか?
A. 瑠奈は普段から妄想があるので追及して聞くことはしていなかった。あえて聞きませんでした

Q. 瑠奈が「頭を持って帰ってきた」と言ったことについて、修被告に連絡は?
A. していません

Q. 修被告から浩子被告に瑠奈が「頭を持って帰ってきた」と言っているなどと連絡は?
A. うけていません

Q. 被害男性が会いに来たのか気になって眠れなかったというが、修被告にLINEで連絡して確認はしなかったのか?
A. とっていなかったと思います

Q. 修被告から被害男性が来たかどうかの連絡は?
A. 来ていません

Q. 修被告に確認しなかったのはなぜか?
A. 日ごろから瑠奈を修さんに任せたら、切り替えて自分の時間と決めていて確認していなかったので、確かめなかったのだと思います

Q. 普段から修被告に問い合わせとかは?
A. していません

Q. このとき修被告はスマホを自宅に置いていたが、そのことを知っていて連絡しなかったのでは?
A. いいえ、持っていっていないことは後から知りました

Q. 「頭を持って帰ってきた」と言われて一家の一大事なのに修被告に連絡しなかったのか?
A. しなかったと思います。電話とかLINEで伝えられる内容ではなかったのでしなかったと思います

浩子被告に「なぜ確認や連絡をしなかったのか?」と何度も追及を繰り返す検察に対し、弁護側が「質問が重複している」と異議を申し立てる場面もありました。

◇LINEのメッセージ履歴について

Q. 修被告に「車のGPS記録残りますか」とLINEを送ったことは覚えていないのか?
A. はい

Q. (浩子被告の)推測としては瑠奈から「修さんに聞いてほしい」と言われて修被告に送ったのか?
A. そうではないかと推測しました

Q. なぜ被害男性とSMをするだけなのに瑠奈はGPSを気にしたのか?
A. 分かりません

Q. 気になりませんでしたか?
A. 特に気にしてはいませんでした

Q. なぜあなたはメッセージを送り、消去したのか?
A. まずGPSがどんなものか気にしていませんでしたので、「聞いてほしい」と言われて送ったのだと思います。推測ですが、事件後に何かいやな感じがするということで消したんだと思います

◆エタノールの購入やビデオ撮影の依頼について

Q. 瑠奈に頼まれて(浩子被告が)エタノールを購入したことについて、逮捕前の7月24日の任意の取り調べの供述調書には「娘の計画に必要だったから買った」とあるが?
A. そう書いてあったと思います

Q. 供述調書は5ページ以上にわたって訂正されているが、警察官は丁寧に応じてくれたのではないか?
A. 私が言ったところに関しては丁寧に直してくれたと思います。最初の原稿が私が言ったこととあまりにも違ったので、それだけの時間が必要だったのだと思います

Q. なぜ修被告にビデオ撮影を頼んだのか?
A. 浴室に頭部があると分かっていたからです

Q. 捜査段階の供述調書には「娘が作業という言葉を使った」などとあるが?
A. 後から考えているうちに何か手を加えるとは思っていませんでした。いまでも思い出して思い違いをしていたのではないかと思うこともありますし、時間を経て思い出すこともあります

Q. 捜査段階で話していたことは思い違いなのか?
A. いまはそう考えています。あのころの精神状態だととても確かじゃないなといまは思っています

修被告の次回の裁判は2月4日で、引き続き、浩子被告に対する検察の証人尋問が行われる予定です。

最終更新日:2025年1月31日 13:49
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