「久しぶりの休息」助産師が24時間体制でサポート 産後の母親を支えるホテル 北海道
産後の母親が一息つくことができる時間が提供されました。
出産後に孤独感などを感じ、体調を崩してしまう母親をサポートするための新たな取り組みを取材しました。
赤ちゃんを抱きかかえたりミルクをあげたりと、助産師たちが赤ちゃんをあやしているのは、札幌市内のホテルの一室です。
札幌市の谷口明莉さんと蓮和くん2歳、そして弟の瑞季くん4か月です。
(谷口明莉さん)「夜中の授乳とか、授乳じゃなくても起きたりとか、上の子も夜泣きがあったりして、ゆっくり寝られる時間がほしいと思って」
今回宿泊したのは4組の家族で、産後のケアを1泊2日ホテルで受けられるという北海道で初めての取り組みです。
生後6か月までの赤ちゃんを持つ母親たちがサービスを受けられるといいます。
値段は1部屋3万9500円で、試験的に実施されました。
5人の助産師が24時間体制で子育ての相談を受けるなど、お母さんを全面サポートします。
この企画を立ち上げたのは高橋奈美さん。
(高橋奈美さん)「私は初めての出産のときに1人で家事や育児を抱え込み過ぎてしまって、産後うつになったんです。現状札幌で産後ケアというのは全然充実していなくて数が少ないので、選択肢を増やすためにも私は尽力したいと思います」
高橋さんは産後、育児の大変さを実感したことから母親たちの支援を始め、札幌市のカフェで0歳児のお母さん対象のママ会を開催するなど、母親たちの支援を続けてきました。
今回初めてのホテルでの宿泊支援では、赤ちゃんをプロに預けてお母さんが休めるのも魅力の1つです。
(助産師)「お母さんが休むためなら何でもします。ちょっと離れる時間があってもいいんですよね」
仕事終わりのお父さんがホテルで合流し、お兄ちゃんの蓮和くんを連れて外出です。
その間、お母さんは部屋でゆっくり休むといいます。
(父親)「(お母さんが)1人の時間はほんとに久々だと思います。いつぶりだろ、1年は前じゃないかな」
(谷口明莉さん)「自分にとってなんだろう。久しぶりの休息の時間」
夫が戻った後は、弟が生まれてから十分に構うことのできなかった蓮和くんとの時間。
これも今回の宿泊の目的でした。
(谷口明莉さん)「たのしい?だって」
(蓮和くん)「うれしい!」
蓮和くんにとっても両親を独り占めできる時間となりました。
(谷口明莉さん)「夜はゆっくり寝ます」
一夜明けて…
(谷口明莉さん)「夜は完全に預けてゆっくり休んだ感じです。久しぶりにゆっくりできて、下の子に早く会いたくなりました」
(高橋奈美さん)「ママは1人じゃないんだよって、頼れる場所があるんだよということを発信して、その受け皿をもっと増やして私も頑張っていきたいなと思います」
お母さんと家族のゆっくりできるひと時を作るホテルでの産後ケア。
次の開催は今月28日を予定していて、来年3月からは定期的に開催される見通しです。