車があちこちでスタック 脱出に悪戦苦闘 記録的大雪で移動困難…通院にも影響 北海道帯広市
北海道帯広市では4日にできなかったごみ収集が再開しましたが、雪道で収集車が立ち往生です。
後ろから押したり、スコップでタイヤ部分の雪をかきわけたりしてやっとの思いで脱出しますが…
また別の場所でもタイヤがはまるなど、雪が深く積もった道路に悪戦苦闘の様子でした。
(武田記者)「あちらこちらでスタックし、ごみの収集どころではありません」
ごみ収集車は細い生活道路に入っていくことができず、作業員がごみを集めて回っていました。
(ごみ収集作業員)「中道は全然入っていけないです。やるべきじゃなかったですよね、こんな状況で」
移動が困難な状況に、通院への影響は深刻です。
(病院に来た人)「きのうで薬が切れたので、それできょうどうしても来なければならず、1時間半以上かけて来ました。いつもだと40分くらいで来れるんですが。これが命つなぎなので僕らは、喘息なんですよ」
また、十勝管内で運行する「十勝バス」や「北海道拓殖バス」は、道路の除雪が追いつかないため、路線バスと都市間バスの終日の運休が続いています。
その影響で、帯広駅では長時間タクシーを待つ観光客の姿がありました。
(観光客)「バスがもう運休になってしまって空港に行けない状態です。あと1時間くらいですか、11時くらいから待っているので」
(記者)「2時間待ち?」
(観光客)「そうですね」
(観光客)「電話しても帯広市内のタクシー会社はつながらないし、私は芽室のタクシー会社を予約しました」
飛行機の時間が迫っていた女性は、男性が予約したタクシーに相乗りさせてもらい、ようやく空港に向かうことができました。
帯広市では4日午前9時までの12時間降雪量が120センチと、国内の観測史上最大となりました。
5日朝も雪にすっぽりと埋まってしまった車を掘り起こす市民の姿が見られたほかー
住宅街では市民が経験したことのないような雪かきに追われていました。
(帯広市民)「帯広に来て50年だけど初めて。あれだけでこの冬済むと思ってなかったけど、いきなりだもんね」
こうした中、ホームセンターにはある売り場に客が相次いで訪れていました。
(記者)「スコップは自宅にない?」
(客)「きのう壊れちゃって」
(客)「きのうの雪で、木製だったもので折れてしまって柄が。きのう買いに来たかったけど動けなかったので」
前例がない大雪でスコップが壊れた!という人が続々と来店。
スコップを買い替え家に帰ると、まだ除雪は続くようです。
(客)「車が出られる程度にしか除雪していないから。孫に頼んでやってもらわないと」
やってもやっても終わらない雪かきにみなさん翻弄されていました。
一方、スーパーマーケットでは流通に影響も。
食品売り場がぽっかりと空いています。
品薄となっているのは油揚げや豆腐といった日持ちしない加工食品です。
(売鮮市場どんどん西5条店 三谷佐千夫主任)「きのうの大雪で納品がなくて、きょうにずれているのですが、まだ到着していない。物流が止まるとこういうことになる」
記録的な大雪はあらゆる市民生活へ影響を及ぼしていました。
今後は比較的穏やかな天気が続く見込みですが、気温の上昇による落雪や路面状況の変化に注意が必要です。
この大雪で交通にも影響が出ています。
十勝の浦幌町・浦幌駅のホームでは作業員が雪かきに追われていました。
5日は札幌と帯広・釧路をつなぐ特急24本を含む列車114本が運休となりました。
6日は札幌と釧路をつなぐ「特急おおぞら」が始発から運転を再開します。
一方、札幌と帯広をつなぐ「特急とかち」は車両基地の除雪に時間がかかっているため、6本の運休が決まっています。
また、根室線は音別ー新得間の普通列車が6日は終日運休する予定です。