おにぎりの値段が5割アップ 高騰するコメの価格 備蓄米の放出でも嘆きの声が… 北海道
湯気が上がった炊き立てのご飯。
ふっくらした白米に具材を入れて握るとー
日本人のソウルフード・おにぎりの完成です。
こちらは札幌のおにぎり専門店です。
コメの記録的な値上がりをうけ、2024年秋に商品の値段を5割アップしたといいますがー
(ありんこ 南部均社長)「少しぐらいの値上げでは全く追いつかない。本当に困っている状況。眠れないを通り越して切羽詰まっている」
いまも続くコメの高騰に苦しんでいました。
コメを巡る嘆きの声は、小売りの最前線・スーパーからも聞こえてきました。
(客)「高いよね。全然高いよね」
(客)「麺類を食べた方が安いのかなとか、でもお米食べたいなとか」
こちらのスーパーでは、コメ5キロの値段が2024年の今時期と比べて2倍程度に上昇したといいます。
(キテネ食品館 中塚誠社長)「そもそもが僕らの感覚のお米の値段ではない。今まで10キロの値段を5キロで売っているという状況」
こうした事態を打開しようと、政府は14日、備蓄米を放出すると発表しました。
(江藤拓農水相)「販売数量は21万トンとします。必要であればさらにこの数量も拡大することを考えています」
農林水産省によりますと、放出する備蓄米は2024年に生産されたコメを中心に、2023年のコメも加えた21万トンです。
まず3月初めに15万トンについて入札を行い、3月半ばには業者へ引き渡す予定です。
これにより、3月末から4月にかけて放出された備蓄米が店頭に並ぶ見通しです。
(江藤拓農水相)「上昇した価格は落ち着くこと、それは当然期待しています」
備蓄米の放出は高止まりするコメの値下げにつながるのか。
札幌市内のスーパーでは不安を募らせていました。
(キテネ食品館 中塚誠社長)「備蓄米が出ますという話になっても、3月から問屋は値上げしますという話で出ている。つらいが今のところ値段が下がる要素はまだ見つかっていない」
一方、専門家は値下がりする可能性が高いと指摘しました。
(宇都宮大学農学部 小川真如助教)「国が本気で今回の状況を打開しようという意図が、今回の21万トンという数値に表れているなと思いました」
(記者)「コメの値段は下がる?」
(宇都宮大学農学部 小川真如助教)「下がると思います。この数字を出すことによってコメ関係者、特に売り渋っている人たちにお米を出してくださいという強いメッセージを出したという意味があると思っています」
「令和の米騒動」とも評される今回の事態。
備蓄米の放出でコメの高騰がどれだけ抑制されるのか、今後のコメ価格が注目されています。